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「のこぎり、貸して!」から始まる、母との草取り。私は、母の「影武者」。

天気がいいとき、風のないとき。

焼き場にたまった、枯れ竹を焼き場に入る大きさに、切断しようとする母。

そういう時は、「のこぎり、貸して!」

です。


母の足腰では、無理なので、のこぎりを出して、竹引き用、剪定用の2種類。

当然、私が切ることにしている。

母の言われる長さに、エッチらホッチら。

枯れ竹なので、枝も、力を出せば、ボキッと付け根からとれる。取れないものは、剪定用ノコで、切れ目を入れて、ボキっと。


それが終わると、草むしり。

母と草むしり時間が、たとえ短時間であろうと、キラキラの時間かもしれない。

お日様が出て、周りがキラキラ。ゆったりとした時間の流れ。

長時間は、やらない母。足腰も弱ってきているし、無理できないから。

ただし、竹の子のことになると、杖をついて竹藪へ入ってくる。実は、まだ出ていないのである。今年は、蕗の薹がひとつ見つかっただけ。


そんな短時間の草取りでも、「○○さは、ケチだ。(倹約家)」

「きっと、Nちゃんも、親に似て、お店に寄るような子じゃないね」

「おばあさんさあ、姉ちゃんに携帯で、電話かけて、「たこ焼き買ってきて」と、頼んでよ」

「ありえない!お店に寄ることないわ・・」


「フーン」と。聞き流して。母、杖をつくか、手押し車で、庭を行ったり来たりして、運動。音が、「ガラ、ガラ」と。

時間になると、家に入って、料理番組みたり、新聞に目を通す。か、編み物。

「ポツンと一軒家」が好きだ。

母が、家に入ったすきに、黙って、内緒で、ここの木は、胴ふき枝が出ているし、いみ枝だからと、わからないように。枯れ枝をとにかく落とす。


剪定も、気づかれないように、目立ったことはしないのが、最近の鉄則。

母を怒らせると、終始がつかないので、穏やかな日は、穏やかに過ごしたいものである。

ある日、私が車に乗っていた頃、何かと、車のメインテをしてくれたり、車の買い替え、車検で、お世話になったK商会の83になる奥様が。

今も、現役で、息子さんのお手伝いをして見えて、軽自動車で、運転し、あちらこちら、集金の途中。車をとめて。「Mさん、Mさんじゃないの?」と。


母と私は、それぞれ離れた場所で、草取りをしていた。

母を見て、「Mさん」って呼んだのか、母の影武者のようなオールヤッケのフル装備の私を見て、「Mさん」って、呼ばれたのか、謎。

どうも、私の姿を見てのようだ。

母は耳が遠い。

その時は、私もどこから声がするのか確認もしなかった。


また、昼過ぎに、うちの入り口に車を止めて、今度は、私の方に近づいて見えた。完全に、K商会の奥さんは、私のことを母と間違えていたようだ。

「娘です。」

色々と長話が続いたというか、あちらが、久方ぶりなので、喋りたい気持ちもわかるが、帰りの時間が迫っていたので・・。「もう、帰りますので・・おばあ〜さん!!」と呼ぶ。

母とタッチ交代。また、長々と、お話が続いた様子です。

K商会さんには、本当にお世話になっておりましたから。



こんな日が、いつか、キラキラの思い出となるか、そのキラキラの思い出を頼りに、母がいなくなっても、庭木、竹林を守れるのかと、いつも自分に問いかけている。

正直、自信がありませんが、天気の良い日には、気晴らしになるから、続けます。





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