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がん検診、精密検査、発覚、こころ(1)

前回から約3年ぶりに受けた自治体の検診で、乳がんが見つかりました。乳がんは2年に1度受けるのが一般的です。3年ぶりとなったのは、2020年の秋に引っ越しをしたことで、システムの変化に戸惑い、対象の2021年はタイミングを逃してしまったからです。

仕事の多忙期から一瞬抜けた時節、3年ぶりの2022年10月の検診の結果は「要精密検査」でした。同じ日に子宮頚がん検診(過去に子宮筋腫で子宮全摘出術を受けている為、残した部分の検査)を行い、卵巣に水が溜まっているとのことで、その再検査として3ヶ月後に予約を取りました。それを待つ間にこの結果が届き、同日に乳がんの精密検査も行うことにしたのです。ずっと、気持ちの上では卵巣の再検査が主題でした。

再検査は2023年の1月中旬でした。幸い、卵巣の水は消失しており、次に受けた乳がんの検査は、そのまま3日間、超音波、MRI、組織診と続きました。特に組織診は、細い針で細胞を採取する細胞診と、それよりも太い針で組織をつまみ取る組織診の2種類の方法があるようで、より精密な結果が出る手法が取られました。この2種の違いは、検査後に自ら調べて分かったことです。ぼんやりと楽観しながらも、さくっと終わるはずの再検査はよりディープな方へと続き、少し動揺しました。

極めつけは組織診を終えた後です。「1週間後の結果を聞きに来られる際、よかったらご家族も連れてきてください」という看護師さんの言葉でした。これで結果が予見されていることが間接的に伝えられます。当然、動揺は強くなりました。

現実と非現実を行き交う心のまま、すぐに遠方の家族へ連絡を取り、こちらに来てもらう調整を行ってもらいました。まだがんかも判明せず、進行度も、性質も、手術が本当に必要なのか、またどのような手術が行われるかも、全てが不確定な状態です。この結果待ちの期間が心理的に最もハードでした。

乳がんに関するリサーチを本格的に始めます。そして、手術について少し知ります。全摘、部分切除_いずれにせよ、まずは自分の身体で好きな部分がこのような形で失われることに涙が出ました。え?まさか自分が、違うよね?と、再び心は往来して…。

また、この時期にちょうど以前から受けていた、紳士服の難しい分類のお直しの仕事があり、その技術的なプロセスを考えることが心の整理の契機となりました。当然、何とも向き合えない日もありましたが、別に集中することがあって良かったと思います。組織診の次の日に授業もありましたし、教え子との対話や日常の空気感にも助けられました。

仕事の傍ら、とりあえず基本知識から始まり、医師からの言葉を理解できるようにと調べ続けました。調べると、それが良くとも悪くとも、自らの身体と照らし合わせられると、安心します。不安は、自分が持つ情報や知識が不十分な時に起こるものです。

なるほど、比較的育つのが遅いと言われる乳がんでも、中には育つのが早いタイプもあるらしい。心の動揺が治まってきた頃に、さまざまな人生の残り時間のコースを想像し始めました。

※見出し↑の写真は組織診の次の日に撮影。↓は記録画像。

組織診後のテーピング。針穴が大きいので、がっつり圧迫されました。当日の夜には外しています。しばらく内出血で打撲痕みたいな感じでしたトホホ。

(2)へつづく

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