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乳がん記録|手術から約1年と5ヶ月経ちました。

久々の更新となりました。おかげさまで、月に1度の検査結果は順調です。以前よりはスローな生活リズムを送っており、その分深く味わい選び取る、有意義な毎日を過ごしています。

手術から約1年と5ヶ月間経ちました。この辺りで、その後の経過に伴う体感の変化を書いておければと思います。

前回の記事は、1年に1度の精密検査の記録でした。いくつかの副作用について、主治医に下記のように報告していました。

副作用のホットフラッシュもたまにありますが、寒い間はあまり出ないのでこれも忘れています。他に、この1年ホルモン療法と共に過ごして分かったのは、集中力が思うように続かないこと、少しイライラしやすいこと(このふたつは軽減傾向)、あとトイレが近くなりました(これは年齢からかも知れません)。センチネルリンパ節を取った方の右腕は、長時間使うとだるくなることもありましたが、今はほとんど感じません。

2024年3月3日付 「乳がん記録|術後1年経過、精密検査」

季節が変わり、気温が30度近くまで上がる日もあり、ホットフラッシュが復活しました。出るタイミングも分かってきて、私の場合、食事を取ったしばらく後、甘いものを食べた後、集中しようとした時、緊張した時、ストレスを感じた時、ガシガシ歩いたしばらく後(行き先のお店で一瞬汗だくになることが多い)、ということのようです。

これ、深い自分におけるストレス要因のバロメーターにもなってくれます。本能的だし、時に、認知よりも早く反応しているように思います。対策のポイントが明晰に分かるのがなかなか便利です。

また、汗はしっかり出ますが、ファンなどで調整が上手くなったのか、身体が慣れてきたからか、以前よりは気にならなくなっています。ネットなどで見かける体験談の中には、強い副作用が出ておられる方も見られますので、私は軽い方なのだと思います。

数日前の検査では、いつもは平常値内でも、この日に限り血中のクレアチニンの数値のみ高く、主治医に原因を確認しました。「汗をかいたりして水分が出るためで、季節性でしょう。気にしなくて大丈夫です。」ということでした。

そして、これらの事と関連するのでしょうか、就寝中に良く起こされていた尿意はなくなり、しっかり眠れるようになりました。年齢からくるものでもなかったようです。快眠の妨げとなり、日々気にしていたところ、ある日、こうした心理も要因となると知りました。そのメンタルコントロールの成果なのかも知れません。

日々の食事や生活が検査結果として現れるのが興味深いです。がんにならなければ検査は1年に1度(健診)です。この月に1度の検査を、身体全体のモニタリングだと考えると、むしろこの方が健康管理ができるのではと思います。同時に大切なのは、極端、神経質にならないことなのでしょう。

また、集中力の継続やイライラはより軽減された感覚です。また、記憶力においても、しばらく病気や治療に意識を集中させ過ぎて、他のことになるとしばらくフワッとした感覚がありましたが、これも術前のシャキッとした感覚に戻りつつあります。自然な経緯かも知れませんが、毎日、良く思考して、時にゆるめて、健やかなバランスを保とうと意識的ではありました。

他には、手術痕の感覚の変化もあります。腫瘍を取り出した右胸の乳輪に沿った傷痕、生検の為センチネルリンパ節を取り出した脇の下の傷&ドレーンの管を通していた痕、いずれも薄くなりました。後者2ヶ所の右の写真は、この記事の公開日に撮影したものです。

少し痛々しい術後2週間後(左)と、1年5ヶ月後の現在(右)との比較。跡は残っていますが、縫い寄せた部分はフラットになり、さほど目立たなくなりました。皮膚のピリピリもなし。下部のドレーン管は、抜いた跡の陥没が完全になくなりました。画像外の乳輪に沿った傷痕は、切った痕は良好ですが、電気メスの火傷跡がケロイドになりました(トホホ。でもこれも少し軽減)

腫瘍摘出部分(右胸上部中心寄り)の乳房の凹みは、直後のボコっとした感じではなく、なだらかな印象です。シルエットは、身体の直立姿勢では差異は少なく、前屈みになったり、胸を寄せると違いが出る感じでしょうか。再建すると整うんでしょうけど、私はこのままで十分。むしろ愛おしいと感じます。また、放射線治療時の少し固く締まった感じは少しだけ残っています。

今は、胸元開き気味の服でも、以前より気にせず着ています。まぁ、見えてもいいかななんて思ったり。偏見したいならすれば良いわい。そんなチープな人間とは向き合う必要もないでしょう。

下着については、元々パッドなしブラの愛用者で、お出かけなどの際にはパッド類を併用していました。現在は、肌に直接貼るタイプは使わず、ブラレットに付属の取り外し式の薄いパッドを、他のブラに流用する方法を取っています。挟み込んだり、良く動く日などずれそうな日はひと針縫います。直接貼るのは少し心配に。蒸れないし、体感的にもこの方がベターです。

しかし、この身体に優しい印象のブラレットも、手術後1年間ほどは、放射線治療も加わったことで、形によっては脇の下の傷跡と干渉してピリピリとした痛みが生じていました。私の場合はワイヤーありの方が擦れずに楽な時も。ずっと続くのかなぁと心配でしたが、現在は痛みも不快感も全くなくなっています。(ピリピリした場合は、ケロイド防止に貼っていた不織布テープが便利でした)

手術直後は大変な思いをして、1月にうっかり小指を怪我した右腕は、怪我や重いものを腕に掛けないよう引き続き気をつけているものの、浮腫みは一度も起こっていません。だるくなる感覚も軽減されました。とは言え、リンパ節が減ったのは事実なので、100%ではなく95〜98%の感覚かしら。不快感や不便はありません。昔はリンパ節を全て取っていたとも聞きますし、ここは、身体の力と、医療と研究の発達に感謝です。

話は変わり、昨年12月にニュースを通じ、早期乳がんの治療方法として、ラジオ波焼灼療法が承認・保険適用となったことを知りました。リンパ節生検や術後の針生検は必要ですが、これだと随分身体への負担が軽減されますね。条件を読むと、私も適用者だったのかなぁ〜と思います。

以下はこれより前の記事ですが、どんな経緯を辿るのか分かります。やや専門的。興味がある方はどうぞ。(医療、面白いなぁ…)

この1年ちょっとの間にも大きな変化があった乳がん治療、これからどんどん変わって行くのでしょうね。早く見つけられれば怖いものではないと思います。

こうした話もそうですが、他人事として読むのを避ければネガティブな意識から回避して安易に解決できるのだけど、がんに罹患して分かることは、ネガティブなことと向き合い、知識を付けることで思考し、ネガとポジを同等に扱えるようになることで、健やかに今の自分を超えられるということです。同時に、他者の捉え方にも変化が現れます。そこに前触れがないほど、気づきと学びの中に身を投じ、知識に加え、結果的に身に付くのは、心の耐性ではなく技術で、それはあらゆることに応用ができる財産なのではと思います。ここから見る“世界”はなかなか興味深いのです。またこの続きを書けるといいなと思います。

近影。春と夏の間に撮影。
知らぬ間に随分とビュー数が増えました。たくさんの方々が読んでくださることに感謝しています。

つづく


追記:私の制作物(オーダーメイドや自身の為のもの)をゆるゆると上げていくInstagramを始めました。良かったらチラ見してみてください。tomomikawaguchi_thework
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