私と母との関係
私が母との関係に気づいてしまったのは、子供たちを連れてオーストラリアでの生活が始まって間もなくのことでした。主人が失踪したことでの心の傷を癒し、今後子供達との人生を再スタートするためにやってきたオーストラリアでした。
オーストラリアに着き、ホームステイをしながら、探していたアパートに引っ越しをして少し落ち着いてきた頃でした。おもいっきり息を吸った瞬間「あぁ、母から離れて清清した。こんなに伸び伸び気持ち良く自由を感じるなんて!」との思いが沸き起こってきました。
それを機に、幼少期からの母との関係が自動的に次から次へと紐解かれていきました。
私は、小学1年生から家に帰ると祖父母と弟だけの時間が長く、両親は朝から夜中までいない生活でした。よく母は「お母さん忙しいから、おじいちゃんおばあちゃんの言うことを聞くのよ」と言いました。まだ小さかった私ですが、その言葉の裏には「あなたが悪い子にしていると、私が悪く思われるでしょ。だから私の為に、あなたはお利口さんでいなさい」という言葉にならない言葉が聞こえてきました。
私が母に逆らわず母の求める理想に近づけたときには、母は穏やかですし笑顔もあります。それを見ながら「私は、お母さんに愛されている」と勝手に確認していました。
物心ついた頃から、私の両親は不仲でした。毎日のように喧嘩をする姿を見て育ちました。そして私も父のことが嫌いでした。今思うと、嫌いになるように母や周りから教えられたのかも知れません。
母は、父と喧嘩をするとよく「私の生まれた◯◯家はそんなことはしない」と、実家や兄妹の話をしていました。
子供の頃から私は「そうか、ここの家は皆んなおかしい人ばかり、お母さんの実家の人たちが正しいんだ」と心に刻まれていきました。
祖父母にも跡継ぎでない女の子という事から疎まれ、この家では誰にも受け入れてもらえないと感じていた私は、更に自分の家族が、皆敵に見えて嫌いでたまりませんでした。
TVを見ていて、好きな食べ物を選んだ時、私が父と同じものを選ぶと母は
「どうせあなたはお父さんと好みも一緒、◯◯家に性格も似てるし、お母さんとは違うのよ」
「あなたは、お母さんとお父さんのどっちが好きなの?」
などと言われてしまいました。毎回、返答に困る私でした。
日々、たくさんのことを我慢して、イイ子ちゃんを演じている私は、母とよく喧嘩もしました。
必ず決まって最後に母は
「どうせ◯◯なんでしょ。そうだよね、お母さんが一生懸命やってあげてもあなたは嫌がるのよ。じゃ、もういいわ、これからは何でも1人でしてね。お母さんは何もしてあげない」このような言葉を言われてしまいました。
そう言われてしまうと、”お母さんに捨てられちゃう” この言葉が真っ先に頭をよぎってしまいます。「お母さんがいないと生きていけない、お母さんの望む娘にならなければならない」と強迫観念に苛まれていました。
「私は、自由に自分が望む人生を生きてはいけないのだろうか?」「なぜ、いつもいつも母がいない時でも、母に縛られているのだろうか?」
20歳を過ぎると、このようなことを常に思っていました。
そして、オーストラリアについて”それは違う”と気づいてしまったのです。
母が私にせざるを得なかった行為、それは、母の幼少期に受けた母の問題だったのです。
母は、自分の幼少期の出来事を受け入れて消化し、拭い去ることができずにいたために、そのバトンが私に渡されてしまったのです。
それまで私は、一生懸命に母の人生を生きようと必死だったのです。
しかし、オーストラリアで母からの呪縛が解かれて、どんどん目が醒め、気づいたら自分の意識がクリアになり、母と自分を切り離すことができました。境界線を引くことができました。
全てイリュージョンだったのです。
まだ子供の私は、母という「魔法の森」の妄想を作り出し、自らそこに迷い込んでしまっていたのです。
今、母との関係はとても穏やかで良好です。
過去の母も、今の母も、全てを受け入れ認め、許し、付き合えている自分がいます。
なぜオーストラリアで?私にも分かりません。
きっと神様は私に、ちょうど良いタイミングで、その時期とその場所を与えてくれたのでしょう。
私は、まだ人生の途中で、様々な困難にぶつかるときもあります。
でも、一つ母との関係性がクリアになったことで、問題を前向きに捉えることが出来るようになって参りました。
今、私が心から切望していることは、誰かの役に立ちたい!ということです。
それも、私と同じような思いをしている女性がいるのではないか、その人の気づきのきっかけに私がなれたら、と思うようになりました。
母親からの呪縛を解き放ち、本当の自分の人生を歩んでいける人を一人でも多くしたい、そのサポートをしていきたいと考えています。
もし、あなたが今、以前の私と同じように苦しんでいるのなら、私にご連絡を下さい。
あなたの一助となるよう、まずは、お話をお伺いいたします。
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