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フランス人のシステムD処世術

こんにちは。アロマトローグ・自然療法士のクリストモミです。

フランスはロックダウンが段階的に解除され
5月19日テラス席でのカフェ・レストランのオープン&ミュゼなど
文化施設のオープン
6月9日カフェ・レストランの全席オープン、夜間外出制限21時→23時に延長
6月30日夜間外出制限解除、5000人規模のコンサート・展示会の開催許可
というスケジュールとなっています。

つまり今、カフェ・レストラン(テラスのみ)・ミュゼなどがオープン
しているんですね。実に7ヶ月ぶり。

最初のロックダウンの時もクローズしていたので、この14カ月で10ヶ月営業ができなかったのです。

働きたくても働けない、というニュースが連日放映されていました。
私の友人もレストラン関係の人が多いので、本当に気の毒でした。

でも、フランスには「システムD」があります!
今回この必殺技「システムD」が存分に発揮できたのではないでしょうか?

システムDというのは、「臨機応変になんとかする精神」のこと。
Dはse DébrouillerのD。
「なんとかする、要領よくやる」という意味の動詞です。
例えば、人に何か頼んで断られた時、
この動詞を使って「大丈夫、なんとかするから」と答えたりしますね。

フランスって、基本的にマニュアルがない。
お役所の対応でもそうなんです!
例えば同じ条件の人がいても、滞在許可証が取れる人と取れない人がいる。
担当者次第。ときには、担当者の気分次第!
こちらとしてはたまったもんじゃありませんが、逆に
「こうすれば気に入ってもらえる」という処世術もあったりします。
(私の中での正攻法ですね)

日本ではマニュアルがあるので、担当者によって対応が変わるなんて
あり得ません。⭕️は⭕️、❌は❌。明快です。
だから、いくらごねても、ダメなものは絶対にダメなのですよね。
私はフランスの大学にも行きましたし、アロマや自然療法の学校にも
いくつも通っています。
そこで見えてくるフランスの「教育」もかなりの違いが。

普通は基礎をしっかり学んで応用しますよね。日本は完全にそう。
どちらかというと、基礎に重きが置かれていて応用しなくてもいいくらい。
テストも、⭕️❌の正誤問題とか、答えを「抜き出しなさい」が多くて、
自由に論述する形式は少ないですね。

ところが、フランスは基礎をちょいちょいっと学んで、すぐに自己流で
応用します。応用がすごく重要。
先生が言ったことをそのまま暗記するのではなく、自習して自分なりに
落とし込むことが評価されます。

大学のテストはA4のコピー用紙が数枚配られ、ひとつのテーマに関して、
自由に論ぜよというもの。
だいたい4枚くらい、その場で論述になります。
これはかなり苦労しました。

大学に入る前の高校卒業試験にバカロレア(国家資格)があるのですが、
一番最初の必修科目は哲学(というのもフランスらしいですね。
理系でも哲学は必須)。
いくつか選べるテーマの中で、人文系では
「芸術作品を解釈することは何になるのか?」
という問題が過去に出ました。
これを4時間で論述するのが、高校を卒業するための大事な試験なのです。

この試験をクリアするには、出題範囲の中での、芸術作品の解釈に関しての論文などを引き合いに出して、自分なりの意見を書かなくてはいけません。
*年に**が『***』という本を出版した、という基礎があって、
そこからの応用になるのだと思うのです。

アロマや自然療法の学校でも、生徒は(大人です)先生の授業を一字一句
漏らさずにノートに書く、という光景は見られません!
みんな「聞きたいところだけ」聞いています。
その人の現在の職業や興味によって、その講座を受けた理由はさまざま。
欲しい情報だけもらうのが目的なのです。
その情報を、今後の仕事に役立てたいわけですから、全部を聞こうという
姿勢ではないのです。
アロマの基礎を聞いて、私の仕事にどう活かそう?という視点で
出席してるんですね。

システムDの話に戻ると、小さい頃からこんなふうに「応用力」が
必要とされるため、「これがダメならこっちをやってみよう」と、
試行錯誤するクセがついています。
今回のCovid-19下で、さまざまな職業の人が仕事を制限されました。
でも「じゃあ他にできることは?」と頭を切り替えることも得意なので、「なんとかする」ことができた人も多いのです。

レストランやカフェに関しては、どんなに高級店だったとしても
「店舗営業できないならテイクアウトしよう!」と切り替えたところが
多かった。
Uber eatみたいなアプリもたくさんできて、星付きレストランが家で
食べられるなんてことも可能でした。

生活必需品以外の店舗の休業に対しては、行政が助成金を出したところも
あり、やはりClick & Collect(ネット注文でお店に商品を取りにいく)
システムを取り入れる店舗が増えました。
お店によっては宅配も選べたり。

外に出てはいけないという制限と、店舗営業はダメという制限がある中、「じゃあ他にできることは?」に注目して、
こういう営業形態が生まれたんですね。
もともとありましたが、さらに簡便化して、売り手も買い手もハードルが
低くなりました!

実はフランスってITに関してはとても遅れていたんです。
でも、システムDの精神のおかげで(?)「どうしようもないときこそ、
なんとかしよう!」と頑張って、オンライン化がぐっと進みました。
この社会の大転換は、私がフランスに住んでいる20年でなかなか
見られなかったのではないでしょうか。

ワクチンの予約も、給付金の申請も、レストランや商店での購入も、
オンライン化でとても楽になりました。
お役所に関しては、本当に不便なことが多かったのですが、
オンライン相談とかも当たり前になって、便利です。
お役所ってしがらみが多いのでなかなか変化できませんが、
それでもマニュアルがない分
「切羽詰まったこの状況では、とにかく変わらなくちゃ!」と
柔軟に対応できたのかなと思います。
(民間に比べるとまだまだなこと、多いですけれどもね)

今回のCovid-19の騒動で、気持ちが追いつかなくなったフランス人も
たくさんいるのですが、一方でシステムDの精神で、
苦難を乗り越えた人たちもニュースでたくさん紹介されていました。
5+5=10ではなくて10 = 1+9も2+8も3+7でもOK…!と
たくさんの答えがあることを学んでいるのがフランス人。
5+5のルートが使えないなら、別ルートで!と臨機応変に対応することで、新しい発想も生まれるのですよね。
どんなやり方でもいいから、「この逆境を乗り越えるぞ!」という目的の
ために創意工夫を凝らしたのです。

「答えがない」ことに不安になっちゃうこともありますが、その答えが
時代とともに変わることもザラにあります。
答えはきっと一つだけじゃなくて、いっぱいあるのでは?
システムD精神を身につけるには、その状況を冷静に判断して、
自分で答えを選ぶことです。
言われたこと・習ったことをそのままやっただけでは、
状況は改善しないかもしれません。
そんなときは、システムD!
是非自分でなんとか解決できるよう、試行錯誤してみてください。



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