【あくまでつじ流】対談記事の書き方を知ろう

みなさんこんにちは。フリーライターのつじです。

今回は久々に書くHow to記事。2022年2月末〜3月にかけてひとつの対談記事を書くことになったため、対談記事の書き方を紹介することにしました。

あくまで私がやっているやり方であり、より効率的に行える手順があるかもしれませんが、これから対談記事を書く予定のある方や、やり方を見直したい方の参考になれば幸いです。

【事前準備】対談前にやること

良い仕事は良い事前準備から。対談記事を書く時は必ず、道具を揃えたりリサーチをしたりと事前準備を行います。

1.ICレコーダーとカメラを用意する

まず、対談時に使用する道具を揃えましょう。

録音はスマホやタブレット端末、PCなどでも行えますが、ICレコーダーを用意しておくと安心です。タブレット端末やPCの場合、タイピング音がダイレクトに入ってしまう。録音用にスマホを対談者の近くに置くのも見た目があまり良くありません。

ICレコーダーであれば音も拾いやすいことにくわえ、見た目も良し。一台持っておくと安心です。私はPanasonicのレコーダーを愛用していますが、近年ではより良いものも出ているようです。

このようなスティック型が持ち運びしやすくておすすめ。360度から音を拾うものを使うと、感染対策でアクリル板を置いている場所でもしっかりと録音できます。(私は念のためICレコーダーとスマホの2台で録音しています)

カメラは一眼レフを用意しましょう。連載形式の場合は色味や撮り方が大きく変わらないように注意して撮影してください。

対談者の事前情報をリサーチ

どんな記事を書く場合もリサーチは必要不可欠。

対談記事の執筆は、対談者同士で話を進めてもらうことがメインになりますが、話すのが苦手な方もいるため、事前に関心のある分野や話しやすそうなこと、直近で掲載されたメディアや著書のの話があれば脳内に入れておくと、話題に詰まった時の助け舟になってくれます。

取材や対談でも相手の事を何も知らずにスタートしてしまうのは失礼にもあたるため、マナーのためにもリサーチは忘れずに。

対談当日にやるべきこと

日程調整などを終えて事前にリサーチを終えたら当日、対談の立ち会いに行きましょう。

対談の立ち会いはICレコーダーのボタンを押してはいどうぞ、というわけにはいきません。それでは当日に私たちライターが行なうべきことをチェックしてみましょう。

掲載メディア・コンセプトの説明

取材などを行わないリサーチメインの記事も同様、対談記事もメディアや連載のコンセプトに沿って執筆します。対談が盛り上がって雑談が増えたり、主軸とずれたりすることも多々あるため、対談前にコンセプトを説明しておきましょう。

対談中に盛り上がりに欠けてると感じたら?

対談者しているとどちらかの喋る量が増えたり、話題が尽きたりすることも。対談の中でいちばん大切なのは「互いにとって有意義な対談になるか」ということ。

また、対談者も話そうと思って話しそびれることもあります。事前にリサーチした内容や関心を持っている話題を振る、聞き役に徹している側の方に「〇〇さんはどう思いますか?」と振ることも行いましょう。

写真撮影も忘れずに

対談を終えたら記事内で使用する写真を撮りましょう。記事内で使用する枚数より気持ち多めに撮っておくと安心です。

ちなみに私は、以下のパターンの写真を撮っています。

・対談者の集合写真
・ソロショット 2人分
・2人が話している事が分かる全体写真

ソロショットを撮るときは、1人が向かって左側、もう1人が向かって右側といった形で「2枚を横長べにすると隣り合う形で撮る」ようにしましょう。
(私はこれを失敗してボツ写真を出してしまった経験があります…)

写真を撮った後は対談者ご本人たちに確認してもらうことも忘れずに。

対談記事を書く

対談の立ち会いを終えたら執筆行い、記事を作りましょう。

ここからは、文字起こしから納品するまでに気をつけたいポイントなどを紹介します。

1.文字起こしを行う

まずは、対談内容を文字起こししましょう。文字起こしは記事の基盤になる情報を起こす作業にもなります。内容はなるべく要約せず、一語一句起こすこと。(です・ます調に置き換える程度であれば問題ありません。)

近年、文字起こしソフトも多く展開されていますが、書き手が内容を腹落ちできていないといい記事は作れません。対談立ち会い当日に文字起こしした分を後日掘り返しながら行ってください。

2.掲載箇所を決める

文字起こしを終えたら、記事に掲載する箇所を決めます。

私は文字起こしした内容をPDFにした後赤入れをして決めますが、文字起こしした内容を複製してWordファイルにしても構いません。

対談記事を書くときは、必ず「文字起こしした内容と原稿を別ファイルで所有する」ことを忘れずに。文字起こししたものをそのまま原稿にすると、修正などを行なう時に録音から聴き直す羽目になります。

3.初稿のタタキを作成する

掲載箇所を決めたら赤入れを入れた箇所を参考に初稿のタタキ(下書き)を作ります。初稿を作成時は以下の点に注意しましょう。

・リード文で対談のテーマと大まかな内容を記載
・必ず「誰が話した内容か」が分かるようにする。
佐藤太郎(以下、佐藤):〇〇…
山田大介(以下、山田):〇〇…
・話題の切り替わり箇所に見出しを追加

対談時に聞けなかったけれども、内容を追って確認したいと言う場合は対談者に初稿を見てもらう際に「〇〇に関する考えを掘り下げてご教示ください」と記載して追記してもらうと安心です。

対談者への追記をお願いしないことがベストですが、心配な場合は「後日もしかしたら追って内容を補足するためのご質問をするかもしれません」と対談日に伝えておきましょう。

4.ゲラ(校正)作業

初稿を作成したらゲラ作業を行います。

対談記事を何度も書いている方は赤入れ不要な方もいらっしゃるかもしれませんが、作成した原稿に赤入れし、再度見直しを。小さな誤字や言い回しの修正などを行ってください。

また、対談者の立場上出せない社名や細かい内容がある場合は、言い回しが適切か必ずチェックしましょう。ゲラ作業を終えたら修正し、最後に写真を追加します。

5.納品

すべての作業が終えたら納品を行いますが、納品は各案件の商流で異なります。

▼出版社や媒体元が対談者と連絡する場合
・担当者に初稿を送信⇒出版社や媒体元が対談者に確認を依頼する
(私はこのパターンで仕事をすることが多いです)
▼自身の企画or自分のメディアの場合
・対談者双方に確認を依頼⇒修正⇒問題なければ納品

複数人で仕事を進める場合は誰が対談者に記事の確認依頼を行なうか、必ず決めましょう。

納品時は原稿と元写真データ、必要であれば録音データをまとめて送るのがベストですが、対談者に確認依頼をする場合はPDFで問題ありません。
(Wordなどにすると書き換えられてしまう可能性が生まれるため)

このような一連の流れを経て対談記事が出来上がります。

ちなみに実際に作成した記事はこちら。

対談記事は事前準備〜納品まで抜かりなく仕事を

今回は私の経験をもとに対談記事の立ち会いから執筆、納品までの手順を紹介しました。

通常のリサーチ記事と比べると細かい作業が多くなりますが、対談記事を書けるようになると仕事の幅も広がるため、覚えておいて損はないと感じます。

対談記事を作る際は、当日はサポートに回りつつしっかり記事を書き上げることが大切です。紹介した内容はあくまれ一例になりますが、参考にしながら執筆を進めてみてくださいね。

それでは、また。

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