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モノ消費から、コト消費

現在、私は30歳。1981年から1996年生まれの人が当てはあるミレニアル世代の1人です。ミレニアル世代の特徴は様々な特徴がありますが、その中でも特に自分自信がその通りだなと思った特徴が次の3つです。「デジタルネイティブ」「個人主義」「経験欲が強い」。これは日本人のみに当てはまるわけではなく、外国人にも当てはまります。ミレニアル世代より前の世代が持つ特徴、モノを持ちたがる物欲や安定思考という流れと相反し、シンプルな生活を好むミニマリストや経験思考など世代間のギャップがあります。

このミレニアル世代が将来的に一番消費をする世代になった際、どのようなコトに対して消費をするのかを観光業の視点で考えてみたいと思います。

コミュニティ作りが大事

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若い人だと当たり前のことですが、旅行へ行く前にすることは、もちろん旅行先の情報やクチコミを調べます。その際に使うのはもちろんインターネットで、旅行雑誌などでお勧めされる情報よりも、ネットなどで旅行先に行った先人たちが感じたことや評価を考察し、実際に自分も経験してみたいなと思えばそこにお金を落とします。逆に、ハワイに行くことがステータスだとか憧れだとかいう理由のみでは行きたいとは思いません。

この場合、観光業に従事する人は何を大事にするのがよいのでしょうか?

答えはコミュニティの形成です。

自分は以前、旅館の経営をしていましたので、その時にうまく行った経験談をお話します。

旅館業で学んだコト消費

私が旅館の経営に携わる以前のオーナーは日本語しか喋ることができないため、40歳以上で比較的裕福な日本人をターゲットにした、典型的な日本のおもてなしスタイルのお宿でした。(旅館に着いたら、ペコペコする女将がやってくるような・・・)その結果、休日はお客さんは入るが、平日は空室が続いていました。

そこで私が行ったのが以下の3点です。
1. 外国人観光客をメインターゲットにする。
2. 予約サイトの口コミの強化。
3. 宿泊客とのコミュニケーションです。

正直、外国人観光客をターゲットにすることは、これまでの既存顧客を受け入れられなくなる可能性や、サービスの低下が懸念されました。しかし、お金を稼げなければ、自分たちも生活ができなくなるため徐々に実施していいきました。

海外の予約サイトを開設すると、1週間に2組ほど外国人観光客が入るようになりまし。そこからコツコツ行ったことが、外国人との徹底したコミュニケーションと口コミの強化です。

外国人観光客から予約が入ればすぐに英語でメールを書きました。その内容は、送迎の有無やチェックイン時間などの業務連絡をすると同時に、地元住民しか知らない周辺情報や、道中で寄れるおすすめの飲食店の紹介です。自分が海外に行った際に欲しいと思える情報や、初めての国で不安に思うことなどを全て払拭してあげました。これにより、旅館で初めて会ったにもかかわらず、往年の友達と再開するかのように仲良くなるまで関係を構築していました。

宿泊後には外国人観光客が予約サイトに沢山の口コミを書いてくれ、その口コミへ返信してさらにコミュニケーションを取りました。その結果、100件ほどの口コミ評価が、10点満点9.6になるほど高い評価を得ることができました。これはただ単に、宿に泊まったことが楽しかったという旅行者からの口コミ情報のみならず、それに対しての旅館側もアフターフォローし良い関係性が構築されているというアピールにもなります。

このように、地道にコミュニケーションをとることで、インターネット上での口コミが広がり、その宿を知っている人たちが一つのコミュニティとなり情報を自発的に発信してくれるようになりました。旅行先で出会った人・体験したコトこそがミレニアル世代の人たちを満足させること消費なのです。

今回は人と密に接する観光業でのコミュニティ形成に関して分析したのですが、次回は接客業をあまりしない分野の仕事ではどのようにコミュニティ形成するのかを考えてみたいと思います。

それでは、また明日。

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