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スタートアップバックオフィス《SBO》に必要なスキルTOP5!2020年版

InsurTechスタートアップでバックオフィスSBOをしているともこ(@sbo_tomoko)です。
スタートアップバックオフィスのコミュニティ、SBO勉強会を運営しています。


4年前に妊婦専業主婦から未経験でスタートアップのバックオフィス職に就きました。今は4期目15名のhokanで、幅広くバックオフィス実務を担当しています。

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SBOを採用したいけどなかなか進まない。
どういう人がSBO職に適しているの?
SBO職で活躍するためにはどういうスキルが必要?
という問いに対して、私の回答を残しておこうと思います。

アーリーフェーズでSBOの採用を検討されている方、SBO職に興味がある方の参考になればいいな。

1.SBO採用が難航する理由

スタートアップのバックオフィス採用が進まない理由は、
今今支払える給料/業務内容/スキルのバランスがマッチしないこと。

アーリー(概ねシリーズAまでくらい)スタートアップのバックオフィスの状況と言えば、

- 経理/労務/法務/総務など区分け事の業務量はそれぞれ専任が必要ではない
- 細かい事務作業が多数発生し続ける

といった具合です。

現場手作業もできる管理部長クラスを採用できるなら最高。でもそんな人件費はまだ張れない。希望年収と採用予算のギャップが生じる。

経理や人事の経験がある方がいい。けれどもやっぱり他の業務も全部任せたい。その人の目指すキャリアと会社がコミットして欲しいことがずれる。

未経験者?どこまで任せられますか、、?不安。

採用ペルソナを決め切れられず、事業部と開発の採用が優先度が高く、バックオフィスのメンバー採用に工数が取れない。

そして、本来経営陣がコミットするべきところではないバックオフィスの事務工数が増え、
事業スピードに影響し
バックオフィスのカオス度は増し
ということに。


2.スタートアップバックオフィスの役割からペルソナを考える

決め切れないSBOのペルソナ。
他社スタートアップの経営者複数名にお話を伺っていると、共通してSBOに求めている部分は大きく2種類。

- まるっと指示なく投げて、7割くらい形にしておいて欲しい
- 管理系事務を安心して任せきりたい

私の経験からすると、SBOに求める業務とスタンスは以下のような感じです。

=業務の前提条件=

バックオフィスの実務を幅広く担当する

=求めること=

- 経営判断に必要な情報の収集と自社にあった最適解の選定
- 法的リスクへの確実な対応
- 具体性が固まっていない業務の初期オペレーション

=必要なスタンス=

- 経営者/チームの思考スピードを止めない
- 経営者の判断が必要でないところは自ら意思決定していく
- とにかく会社の成長に必要なことには積極的に挑む


3.SBOに求められるスキルTOP5

さて、それではこれらのペルソナに必要なスキルとは?

1.なんでもやってみる自走勢力
2.IT知識
3.情報収集力
4.リスク嗅覚
5.ドメインナレッジ

1位はやはり何と言っても、やったことのないことでも果敢に自力で取り組んでみる勢い
バックオフィスには冒頭の業務マップのようにいろんな種類の業務が細かく大量に発生し続けます。経験したことのないことでもやってみるしかない。「やったことのないことはできない」は論外です。
自分が担当するべき業務のゴールを明確にして周りとすり合わせ、そこまでやり切る力。やり切る力があると飛躍的にスキルは伸びます
ゴールが見えないとき、自分の現状のスキルではどうにもできないとき、不向きだった場合にどう処理をするかまで対応できるといいですね。

2位はIT知識にしました。これは対業務知識です。バックオフィスを効率化する優れたSaaSが数多く存在します。IT知識がありSaaSを活用することができれば、業務の専門知識は士業の方に頼ることで、自社にあった効率の良いオペレーションを設計することができます。ExcelやWordを使うこともとても多いので基本的な使い方はできる、新しいツールでも勘所を持っていて欲しい。must haveです。

3位の情報収集力は、SBO職に就かれる人に伝えておきたいこと。業務上必要なことは調べることがマストです。わからないままでは仕事になりません。
調べる際には、①法的観点、②ベンチマーク企業や類似企業はどう対応しているのか、③自社に考えられるリスクは何か、をこの順で意識して取り組みます。調べた結果どういう判断をするかは経営者に任せます。無理に判断までしようとしなくていい。経営者が判断できる材料をそろえることがポイントです。判断方法と結果を知るということを繰り返していけば、経営者の意向に沿った意思決定ができるようになってきます。

次はリスク嗅覚。4位からはnice to have。
バックオフィスの大前提はリスクを最小限に減らし事業を安定化させること。いつも最悪な状況を想定し、リスクヘッジをできることは重要なスキルだと思います。例えば簡単に表現すると、疲れが見えたら休みを促すとか、セキュリティを重んじるとか、契約内容はしっかり詰めるとか、そういった感覚でしょうか。

最後はドメインナレッジを挙げてみました。私が前職のスタートアップからhokanに転職した大きな理由でもあります。バックオフィスとして幅広く担当し活躍できるかどうかは、ドメインナレッジの影響も強いように感じています。それはミッション共感という部分にもつながるでしょう。
ドメインナレッジがあり事業理解ができるからこそ、契約や情シス、ユーザーとのやりとり、採用、広報、役員の秘書的業務に至るまでも担当できていると思います。

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(写真:2018年9月撮影。CEO尾花と。)


スタートアップのバックオフィス採用は早めがオススメです。バックオフィス業務は起業した時点から発生し、量が減ることがないからです。そして経営陣が本来優先的にコミットするべきではない部分で工数もマインドシェアも取られがち。

バックオフィスの業務知識がなくても、0→1で経験していくことで経験値はつきます。経験値があって初めて最適な判断に繋がります。

アーリーフェーズから経営陣と伴走することで、目指す組織像やミッション/バリューを深く理解し、経営陣の意思決定方法を深く知ることができます。そのうえで、SBOが組織で重要な役割を担い活躍することができます。

SBOは一日にして成らずです。おしまい。

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