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ディスタンス・ラーニング 日々の学習

さて今回は、小学一年生の長男がサンディエゴの地元の学校で、日々どんなことを学んでいるのかをご紹介します。

前々回は、彼の一日のスケジュールについて書きました。

詳しくはその投稿にもありますが、日々のスケジュールは割とタイトです。では、実際の内容を見ていきましょう。

テーマに沿った、リーディング

学習内容は週に一度、日曜日に担任の先生によって更新されます。リーディングはクラス全体で行うものと、グループ(能力)別のものとがあり、それぞれ平行して授業(今は、Zoomミーティング)が行われます。

クラス全体のリーディングについては週ごと(もしくは、一定期間ごと)にテーマが設けられます。今週は、先週に続いてRainforest Animals(熱帯雨林の動物)でした。その前は、「月」や「太陽」などでした。

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ジャガーやハキリアリ、毒ガエルにアナコンダ…Wild Kratts(ワイルド・クラッツ)ですっかり動物オタクとなった息子にとっても魅力的なトピックが目白押しでした。

ちなみに、Wild Krattsとは動物の生態やそれを取り巻く環境や問題を描いた、アメリカの子供たちの間では人気の冒険アニメです。

具体的には毒ガエルとアナコンダの記事を読んで、そこからいくつかの事実を書き出したり、問題に答えたりしています。

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主要なリーディングには、Benchmark Universeのデジタル教材が使われています。Benchmark Universeでは、先生が膨大な数の中から様々なジャンルの本を選んで提供するだけでなく、生徒それぞれに合った課題図書を設定することも可能です。生徒はスムーズに読めるようになったら、自身で済み(Done)のところにチェックします。本だけでなく、フォニックスや綴りの練習などもあったりします。

今週はプリントの他に、以下のような課題もありました。

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さらに、Epic!という12歳以下を対象にしたデジタルブック4万点以上が揃うオンラインライブラリの中からも、1、2冊。

このEpic!は6月末までは先生なら無料で登録できるので、その生徒であれば今は読み放題!歴史から自然、動物、そしてアニメまで興味のあるものは手当たり次第読めるので、(または、聞けるので、)息子たちもよく利用しています。

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さらに補足として、子どもたちの興味をそそりそうなコンテンツも沢山アップロードされています。小学一年生が対象ですので、課題図書ばかりでなく、You Tubeなどの動画を使って絵を描いてみたり、歌をうたってみたりしながら楽しく勉強できるように工夫されています。

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グループ別リーディング

グループ別リーディングでは週に2、3冊、それぞれスムーズに読めるようになり、且つ要点を押さえ内容が理解できるようになるまで何度も読まなくてはなりません。

息子の場合、今週はWhy is Hummingbird Tiny? という物語と民話Three Billy Goats Gruff(3びきのやぎのがらがらどん)でした。ページ数はそれぞれ15、6程度。

デジタルブックは、ハイライトされる文字を目で追いながらひと通り聞くこともできるし、読み方のわからない単語はタップするだけで発音と意味を教えてくれます。もちろん、書き込みも可能です。

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アメリカには英語が母国語ではない、または全く話せない親もいるので、この機能はとても便利であることは間違いないのですが、さらに小学生が低学年でも保護者に頼らず自主的に勉強できるというメリットも大きいです。

今週はそれぞれの本を4段階にわけて、Retelling(各段階ごとに要点をまとめて書き、伝える)ということが課題でした。

例えばThree Billy Goats Gruffについては、あらかじめ宿題として書き留めていたものを、Zoomミーティングで読み上げグループ内でシェアします。

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Retellingは何が正解と決まっているわけではなく、どう伝えても個人の視点ということで基本的にOKとされます。なので、決してそこに「間違い回答」や「不足」というものはなく、先生は必ずGood job!と言ってくれます。だから子どもたちも伸び伸びと発表できるわけです。アメリカ教育の良いところですね。

上記のほかにも、毎週ひとつの詩が与えられ、それを読んでイメージする絵を描いたり、先生が毎日アップする読み聞かせ動画を聴いたりもします。

このように日々、読む→考える→書く、読む→考える→書く、の繰り返しなのです。

単語/言葉の練習

そんなリーディング中心の授業に欠かせないのは、もちろん読む力と語彙力。

そこで、Word Work(単語/言葉の練習)も欠かせません。今週はoi / oyのフォニックスやhigh-frequency words(and、that、as、it、seeなど、それ自体にさほど意味のあるものではなくても、頻繁に登場し、文章の意味を成すのに重要な役割を果たす単語)を勉強しました。

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算数

今週の算数は、時計の読み方についてでした。more than、fewer thanのような比較の概念を学んでいた先週に比べて、より実践的。まずは手作り時計を作って遊び感覚で針を動かしたり、5分ごとに目盛りをリズムよく読んだりしていました。

毎日、以下のようなプリントを裏表やっています。

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波乗りのように、寄り添うだけ

これら課題の数々、リーディングを含め毎日まじめにやると相当大変です。課題はそれぞれ時間にするとさほど大したものではありません。せいぜい20分から30分くらいで終わるものばかりです。

ただ、相手は小学一年生、しかも自宅学習ともなれば甘えもでます。

しかも一問一答のような語彙の練習や計算ならまだしも、読解や文章力が問われる課題が多いので、本人のやる気と集中力がなければ前に進みません。

ディスタンス・ラーニングが始まってしばらくの間、通常の学校生活のリズムを保つことが集中力アップにも繋がると考えていた私は、時間管理を厳しくしていました。

すると、そのうち息子も反発する素振りをを見せるようになり、明らかにストレスを抱えてるのが目に見えてきました。

私自身の中にも違和感を感じ始め…何かを無理に、自分の力で動かそうとしていることに気づいたのです。

それからは息子自身が自分の意志で取り組むまで、気長に見守ることにしました。たとえ、朝から60分の「休憩」をしたとしても。まるで波乗りのように、彼の波長に合わせることにしました。

すると次第にお互いの気持ちが軽くなったのか、私も悠々と構えられるようになり、息子にも学校に通っていた時のような生き生きとした表情が戻ってきました。

これは子どもだけでなく大人にも言えることですが、モチベーションは楽しいと思えることから湧いてくることが殆どだと思います。それにはまず自身が何かを習得していく上で向上していると実感することも大切で、これが何より学習の原動力だと私は思います。




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