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「綺麗な空気の中ではいきていけない」

私は多分、田舎に住めない。

最近は都心から離れて住む人も増えているらしい。自然の中で、「人間らしい生き方」みたいなものに気付いたとか、そうゆうものなんだろうか。

私は子供の頃から、“端“ではあるが東京に住んでいる。父は、20年以上前から仕事の関係で他県に住んでおり、自然に囲まれた生活をしていた。私が大人になって、母もそちらに移り住んだので、いつの間にか「実家」が「田舎」のようになってしまっているのは、なんだか癪である。

「山の間から登る朝日が綺麗」とか「風の匂いがする」とか「四季を感じる」とか、私はそういうものに、大して価値を見出せない性格のようだ。たぶん数日経てば飽きてしまうし、歩いても歩いても駅に近づかないような幅の広い道とか、草だらけの家の前の敷地とか、冷たい夜とか、そういうものにうんざりしてしまう。

“都会“が見える方が、やる気が出る。神奈川よりも東京の勤務地、バリ島よりもフィレンツェの観光の方がワクワクした。ちょっと気が大きくなって、本来よりも力が出て、なんでも出来る気がするのだ。

ちょっと時代に逆行しているかもしれないが、私はこの先も東京に残り続けたい。移住した人たちもそのうち、こちらに戻ってくるんじゃないだろうか? 「風の谷のナウシカ」の“腐海の秘密“みたいに、私たちには、"ここ"の空気が必要なのだ。

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