間の大切さ
セロニアス・モンクは、デューク・エリントンと同じく頻繁に聴くジャズピアニストです。
モンクの音楽は、私の中では、ある意味人生の一部と言っても過言ではないくらいしっくりきているかもしれません。
今朝、モンクの名言でこういうのを見つけました。
"Don't play everything (or every time); let some things go by... What you don't play can be more important than what you do."
『全部弾くな。弾きっぱなしじゃダメだ。いくつかは見過ごすようにするんだ...。演奏している時より、していない時の方が大事なんだよ』(拙訳)
これを読んで、即興ジャズピアニストのミシャ・メンゲルベルグさんを思い出しました。
オランダでも有数の指揮者の家系であるメンゲルベルグ家に生まれ、途中でジャズに転向したミシャさん。来日コンサートをご一緒した時の経験を、以前こちらに書かせてもらいました。
ミシャさんの演奏も、弾くよりむしろじっと待っていることが多いんです。
即興演奏では、それこそずっと弾きっぱなしの奏者が多いのですが、そんな中、じっとなにも弾かず佇むミシャさんの姿は、哲学的でさえありました。
ミシャさんは、普段はほぼ即興なのですが、時折顔を出すモンクのメロディなんかを聴いていると、本当にモンクを敬愛しているのがよく伝わってきました。
ICPオーケストラ名義で、モンクとハービー・ニコルスのカバーアルバムも出しています。偶然、レコード屋さんで見つけたんですが、これも絶品です。
生きているモンクには会えなかったけれど、ミシャさんは、ある意味モンクを継ぐ人だったなと思います。そのミシャさんも、すでにこの世の人ではありませんが、わずかでも時間を共有できたことは、得難い宝物だったと感謝しています。
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ある意味、「やってる時より、やってない時(間)の方が大事」というのはどんなことに対しても当てはまるなと思います。
変な例ですが、赤ちゃんはおっぱいをすごい勢いで飲んでる時期より、あまり飲まずによく眠っている時期の方が、ずっと成長します。
予想外の出来事ばかり続く世の中ですが、ちょっと待ってみるのもいいかなと思ったりしています。
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