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ICCサミット、ソーシャルグッドカタパルトでの入賞を振り返って

先週末、ICC サミットFUKUOKA2023「ソーシャルグッドカタパルト〜社会課題解決への挑戦〜」に出場させていただき、おかげさまで5位入賞することができました。


ICCサミットとは、「ともに学び、ともに産業を創る。」 ことを目的に、スタートアップや企業の経営者、投資家などが集う国内最大規模のエクストリーム・カンファレンスです。
その目玉が、起業家が行う7分間のプレゼンテーション(ピッチ)であり、第一線で活躍する経営者・幹部・投資家・プロフェッショナルで構成される審査員が審査がします。スターアップのオリンピックのようなところです。


ICCといえば、野球で言えば大谷翔平選手みたいなビジネスアスリートたちがゴロゴロといて、そういう方達が切磋琢磨し学びあう「すごい場所」と言う認識だったので、推薦をいただいた時にまず感じたのは「そんな場に私なんかが出ていいものだろうか」と言う感情でした。

ただ、二度とあるかもわからないこんなチャンスを、起業家として断っていい理由などなく、創業期から私たちを信じて応援してくださっている方々や、一緒に理想を目指し協力してくれている企業さん達のためにも、しっかり伝えねば、そんな気持ちで準備を重ねてきました。


誰に 何を どう伝えるか

ICCの前夜祭、登壇者さんたちが集まるパーティの場で
司会のE-education三輪さんが

「ICCのピッチを見ている子どもたちがいる。その子は不登校で、でも起業家達のプレゼンを見て、自分もいつかあの場所に立ちたいと言ってくれた。

もう..そんなこと聞いたら涙腺崩壊です。
そこから登壇内容をガラりと変えることに。

私の登壇を子ども達が観るかもしれない、そう思うと、日本の今抱える課題や、いわゆる煽りデータと言われるような数字のページ(もちろん事実ですが)は全て削除しました。

伝えたくないことは伝えない、
見せたくないデータは見せない、
知ってほしくない単語は使わない。
(なんのことだろうと思う方もいるかもしれませんが、このブログもこども達が見るのでここにも書きません。ごめんなさい…。ピッチでは遠回しの表現で触れています。)


「直前で気分が乗って、原稿を変えるのは絶対タブー。そう言う人は入賞を逃す」と先輩が親切にスピーチされていたのに、そのタブーを選択しました。。

こどもたちに起きている、悲しい現状をなくすために
私たちは今事業に向き合っています。
だから、次世代はそんな単語、知らなくていい。

登壇後、いろんな方が声をかけてくださり、「白井さんが言葉を選んで話されているのがわかって、涙が止まりませんでした」そんなふうに言っていただく方もいて、変えて良かったと心から思いました。

北風より太陽を。

これは私たちが大切にしている行動指針、
「クレド」の1番目に掲げている一文です。

メンバーみんなで丁寧に紡いだクレド


暗いことを暗いままに、大変なことを大変なままに伝えるよりも、
理想を言えば「楽しくてついやっちゃってた」「気がついたらみんなで協力しちゃってた」それくらいの感じで社会が良くなっていったらいいな、と思うんです。エソラゴトかもしれません。ごめんなさい。

でも、ICCの疲れ果てた最後日に、前日の時点で帰られる方も多い中で、
わざわざ「ピッチを聞いてから帰ろう」と選択してくださった方には、明るく前向きな気持ちをお土産に帰って欲しいと思いました。

だから、子どもたちだけじゃなく、見てくれる全ての人には
「日本の子どもたちの現状、そんなやばいんだ」と危機感を抱くこと事よりも「こども達のために、私も大人を楽しもう!」そんな風に思ってもらいたかったので、重くならないように、悲しくならないように、誰も自分を責めたり、傷つくことがないように、慎重になりながら原稿を作りました。


当日までは吐きそうなくらい緊張していたのに、
当日の朝になったら不思議なくらいに気持ちが落ち着いていました。

この場に立てることの奇跡と感謝、
そして登壇同期の皆さんの事業が本当に素晴らしくて、
未来の子ども達のためにこんなにも人生をかけて挑んでいる仲間達がいることを知れて、それだけで感謝の気持ちでいっぱいになりました。

次世代のために教育や福祉に挑んでいる仲間たち、待ったなしの地球の現状を食い止めようと奮闘している人たちが、このICCをきっかけに前に進んで欲しいなぁ。(何目線)
そんな感情が生まれて「入賞のためにするピッチ」ではなく、
これまでご一緒してくれた全ての方、そして弊社のジェットコースター(安全バーなし)で普段頑張ってくれているメンバーたちへの感謝の気持ちで登壇することができました。




登壇以外の学びと葛藤。

ICCカンファレンスは3日間に渡り開催されます。
登壇は私にとってのメインイベントではありましたが、
学びのセッションに参加できることも、ものすごく楽しみにしていました。
(登壇が最終日でなければもっと全集中で学びたかったw)

実は今回の登壇が決まった時に、自分の中でモヤモヤというか、一つの大きな葛藤がありました。

ICCカンファレンスには様々なカタパルト(ピッチ大会)があります。
スタートアップカタパルト、クラフテッドカタパルト、デザインアワード…。複数ある中で、私の出場が決まったのが「ソーシャルグッドカタパルト」です。

「ソーシャルグッド枠はグロース戦略とかじゃないよ(から大丈夫だよ)」
私を安心させるために言ってくれた方が何人かいました。ほっとする気持ちも正直ありつつも、一方で少しモヤモヤする自分もいました。

ソーシャルグッドという言葉を、
利益が出ないことの言い訳に使っていないだろうか?


会社を立ち上げる時、
「子どもたちの参加費を無料にしたい」
それだけはぶれない軸としてあり、
NPOにするか、社団法人にするか、株式会社にするか、
その道の先輩方の話を聴いて周りました。

株式会社の人は「NPOがいいんじゃない?」といい、
NPOの方は「あんまりおすすめしない」と言ってくれました。
先輩方みなさん、本当に優しい。笑

NPOにしたとしても認知拡大のための活動はつきもので今と変わらない。
認定が取れなければ税制優遇もないので今と変わらない。
認定を取ることは、株式会社で言えば上場するようなもので、
めちゃくちゃ大変で、認定を取れなければ、きっと今と何も変わらない。
(深すぎるのでここから先は割愛しますが)
最後は結局、自分の判断で株式会社で立ち上げることにしました。


これが正解だったのか、遠回りだったのかは未だ分かりませんが、
今回ICCのいくつかのセッションに参加して、何度も心が震えるセッションに立ち会いました。

作りたい世界にどうやって近づくか。近道なんてきっとない。
そんなことよりも、選んだ方を正解にしていくのだ。


これからをどう過ごすのか。


特別審査員のユーグレナ出雲さんが最後にこんな言葉をくれました。
「一年後、必ずまた会いましょう。その日まで、良い旅を。」

事業は続けてこそ意味があります。
これからです。

最後に伝えた私たちのビジョン。

3年で10万人に届ける。

最後に伝えたメッセージです。
これを無謀な数字と捉えるのか、簡単な数字に見えるのか、
きっと人によって感じ方は違うのかもしれませんが、
私たちはこの目標を「無理じゃない数字」と認識しています。

7年かかって1万5千人に届けてきた私たちが、3年で10万人という目標。
もちろん私たちの力だけでは時間がかかるかもしれませんが、
これまで全国走り回ってきて、子どもたちを応援したいと思ってくれている企業さんがこんなにもいるということを知りました。



本当はみんな、子ども達のために何かしたいと思っている。
_だけど、会社内での個人ミッションがそこじゃない。

本当はもっと次世代のために投資すべきだと思っている。
_だけど会社の予算がついていない。

お打ち合わせ(商談)はしたけど、結果去年はご一緒できなかった会社さんたちも、子どもの応援をしたくないわけじゃなく、
「やりたいけどできない事情がある」というだけでした。
100%そうでした。これはめちゃくちゃ希望の光です。
ただ私たちの力不足なだけで、ということは我々が成長すればいいのです。


やりたくてもやれなかった担当者さん達のためにも、
こんな「CHEERS=応援屋さん」なんて、よくわからないベンチャーの話を真摯に聞いてくださって「私たちもCHEERSを応援したい」と賛同してくださる企業さん達のためにも、私たちがもっとブランドとして確立をしていく。

「弊社もやらなきゃやばいです」と言われるくらいまで成長していく。

組織の中で働く方達には、
私たちとは違い、いろんな力学が発生します。
ベンチャーよりもよっぽど失敗が許されていない。
私たちは死にかけても自分の責任で成功するまで最後までやりきれるから、失敗なんてないけど。企業に勤める方にはそうはいかない。

その中で私たちを信じてくれることは当たり前のことではありません。
感謝しかありません。


今はまだ会えていない子どもたちのところに、
1日でも早く、一人でも多く、迎えに行くために、
本気で事業を磨いていこう。

そんな覚悟を決める、4日間の福岡滞在となりました。

プレゼン動画はこちらからご覧いただけます。
私は4番目(47:45くらい)ですが、
そのほかも皆さんもものすごくよかったのでぜひ!


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