国際結婚10年を振り返るー言語編①日常会話をマスターする5つのコツ
こんにちは。Tomoです。
アメリカ人の夫と、ブライトパスメディアという会社を経営しています。
私と夫は2009年に札幌で出会い、2010年に夫の実家のあるロサンゼルスで結婚式を挙げました。
今月結婚10周年を迎えるにあたり、この10年で学んだことをnoteで発信することにしました。
よろしくお願いいたします。
私と夫は年1回程度アメリカに帰省しますが、基本的に日本で生活しています。
私たち夫婦が語学学校に通った期間は、それぞれごくわずか。テキストを使う勉強は続かず…座学があまり向きませんでした。
それでも結婚10年がたち、ある程度の日常会話は、2人とも日本語・英語でできるようになりました。
誰とでも、臆せず、直接自分の言葉で話せるようになったことの意義は大きく、間違いなく私たちの人生を楽しいものにしました。
今回は、私たちにとって言語上達のカギだった5つのポイントをご紹介します!
1. 本当に「少し」しかできなかった。
「日本語はできますか?」
彼は、日本に来て、いったい何度、そう質問されたことか。
その度に、小さな声で「少し。」と答えていたことを思い出します。
私が初めて夫に出会ったとき、彼は「こんにちは」「ありがとう」よりは、日本語を知っていました。
けれど「うわぁ・・・本当に『少し』だな(笑)」と思ったのが第一印象。「いやいや、お上手ですよ!」とは言えませんでした。
ちなみに、彼は、「何か楽器が弾けますか?」という質問にも
「・・・ハーモニカを、少し。」
と答えていました。それがすごく面白くて、「どのくらい?」と突っ込んだところ、なんと「人生で3回」でした。
かくいう私も、英語の語学力は「少し」。
一応、中学から大学まで学校で英語を勉強したものの、テストは頑張って平均前後。単語は、どうやっても暗記できない。
周りに外国人はいないし、洋楽や洋画が好きなわけでもない。
留年したくないという理由が優先して、留学も断念。
彼の「少し」よりは「マシ」だけど、まさに日本基準の「少し」。英語の苦手意識が強く、とても「できます」とは言えませんでした。
そんな私たちですが、次のようなポイントを意識して生活したことは、言語上達にとても役立ちました。
2. 上達のコツ① とにかく脳をシャットダウンさせずに「聞きまくる」
私は言語学の専門家ではないので、科学的な根拠はありませんが、経験上、口から外国語が出てくる前には、たくさん「聞く」必要があると思います。
赤ちゃんが話し始めるまでに聞く時間が長いように、外国語の習得にも、同じようなプロセスを通ると思います。
「聞く」ことにおいて、私がオススメしたいのは、「脳をシャットダウンしないで!」ということです。
「聞き流すだけ」と「聞き続ける」のとでは、明らかに脳にかかる負荷が違います。
私が夫の家族といるとき、夫が日本人の友達のグループといるとき、お互いに途中から会話についていけなくなることがあります。
疲れて、どうでもよくなって、「そこにいるだけ」という状態になるのです。
はじめは、5分・10分で諦めたくなります。どうせ、何を言っているのかわからないし、口を挟みたくても言葉は出てこないし・・・遅かれ早かれ、自分の世界に入り、その場にいても心はここにあらず。
これでは、聞いているようで聞いていないのですから、いつまで経っても聞き取りは上達しません。
マラソンのようなトレーニングが必要だと思ってください。
少しずつ、集中できる時間を伸ばしていくと、次第に持久力がついて、テーマは何かとか、文脈上この単語は「〇〇」という意味だろうとか、こういう言い回しは使えそうだとか、色々わかるようになってきます。
初めは、自分に会話がふられたタイミングもわからず、それが質問なのか、意見を求められているのかさえ、ちんぷんかんぷんだった私も、会話に入れるようになると、話す楽しみが生まれていきました。
3. 上達のコツ② 「マネ」をして、失敗して、学ぶ。
夫を見ていて感心するのは、マネがとても上手いということです。面白そうなフレーズを知ると、忘れる前に自分の言葉で応用してみるのです。
「ごめんなさい、僕KYです。・・・漢字(K)、読めません(Y)。」とか
「今日は西日が強いですね」とか
数を数えるたびに「世界のナベアツの3の倍数のギャグ」をやるとか。
男性の友人をマネて、「ふざけんな!」を連発したときには、イラッとして注意しましたが、とにかくアウトプットしながら、相手の反応を見て、自分のものにしていくことで、どんどん日本語が話せるようになっていきました。
時々恥を書きますが、場所と相手を選んで、色々試してみる。そのフィードバックを大事にすると、上達が早いと思います。
4. 上達のコツ③ 英語を使うときは、英語「だけ」。
結婚してからの数年間、特に私たちが頑張っていたのは、「英語の日」と「日本語の日」を決めて言葉を分けて使うことでした。
英語と日本語を混ぜて都合の良いように話すのではなく、1つの言語に徹することで、言葉の構造に脳が慣れ、語彙も増えていきました。
夫にとっては、英語だけの日があることは、英語で自分を表現できる、良い休みにもなったかもしれません。
今は仕事の都合もあり、相手や話す内容によって、ごちゃ混ぜに話してしまいます。怪しげな言葉を話すようになっている自分に、恥ずかしくなります。
「ランチ」や「ディナー」は許容範囲だとしても、「バスルーム(トイレ)行ってくる」とか「サジェスチョン(提案)してもいいですか?」とか。(自慢でも何でもありません(汗))
大して流暢でなくても、いつも英語に触れていると、とっさに英語しか(日本語しか)でてこないという事態にも陥るわけです。
だから、英語で話すときは英語だけで。日本語で話すときは、日本語だけで。
このトレーニングは、いつであっても大切だなと感じます。
5. 上達のコツ④ いろんな人・媒体に触れてレベルアップ。
夫婦で意思の疎通ができることは、私たちにとって最低限必要なスキルです。
結婚するとき、私の父の、唯一の心配は「本当にコミュニケーションとれているのか?」ということでした。
お互いのわかる言葉でゆっくり話していたので、割と早い段階から、気持ちが通じていると思っていました。けれど、今思うと、あの時の自分たちは、一体どれくらい相手の言っていることを理解していただろうかと、恐ろしくなることがあります(笑)。
結婚してしばらくすると、多少の自信はついてきました。けれど、夫だけ話して「英語が通じるようになった」と思い上がるのはまだ早かった・・・
彼の両親、様々な国から日本にきた英語を話す友人たちのアクセントの難しさといったら・・・夫が話しているのと「同じ英語」とは思えないほど、全く頭に入ってきません(涙)
自分たち夫婦以外との会話は、私たちの日本語/英語の幅を格段に広げました。
私が当初一番理解しやすかったのは、カリフォルニアの夫の友人の英語です。そして、私自身、若いカリフォルニアの男性が話すような話し方をし、夫も女性的な可愛らしい(?)日本語を話していました。
色々な友人、色々な映画やドラマに2人で触れることで、語彙が増え、話せる相手も増えていきました。それは同時に、自分が母語を話す時とのキャラの差を埋め、自分らしく話せるようになることにも役立ちました。
6. 上達のコツ⑤ 結局は対象への「愛」
言葉はコミュニケーションツールです。
長い間、私の英語が上達しなかったのは、「使う機会がなかったから」です。
よく「どうやったら英語が話せるようになるの?」と質問されますが、私自身英語の勉強が苦手だったので、勧められる教材もありません。
単純に「この人と話したかったから」なのです。
そして、交友関係の広がりと共に「話したい」輪が広がっていたことで、コミュニケーションの力がついてきました。
お恥ずかしながら、私の場合、プライドが高く、当初から私のほうが英語が話せて、夫が日本でメキメキ上達しても、しばらくは私の英語が「マシ」だったことは好都合でした。
以前、何人かの韓国人の留学生とランゲージエクスチェンジ(言語交換)をしていたことがあるのですが、相手の上達があまりにも早く、怠け者の私をあっと言う前に追い越していくので、次第に日本語しか話さなくなり、私が韓国語を話す機会を積極的に設けることはできませんでした。
お互いの言語を学び合うとき、ペースの合う仲間と取り組むか、どうにか相手のペースに合わせながら学べるよう工夫することは大切だと思います。そういう意味でも、「英語の日」「日本語の日」を決めるのは有効な方法かもしれません。
最後に。自分にとっての「目的」を見つけること。
自分が外国語を学びたい理由が明確になって、実際に使う機会が生まれてくると、自然に言葉が身についてくるように思います。
私たちと同じ境遇の人は多くないかもしれませんが、皆さんにとっても、何か応用できそうな情報があれば嬉しいです。もしかしたら、語学学習以外にも適応できる「何か」があるかもしれません。
最後までお読みくださり、ありがとうございました!
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