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コロナに負けないカラダをつくる! 一生使える、「免疫力」の基礎知識

こんにちは。薬剤師・心理セラピストの大西智子です。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、「免疫力を高めたい」という人が増えてきました。実際、わたしのところにも、「免疫力を高めるにはどうしたらいいの?」という相談がどんどん増えてきています。

免疫力を高める方法、商品、というのは、沢山あり、何を取りれたらいいのかわからない、何から始めたらいいのかわからない、と悩んでしまう人が多いです。

「コロナに負けないように、美味しいものいっぱい食べるわ!」「感染しないように、とにかく家で、動かずに安静にしている!」という間違った行動をとる人が多くみられます。

また、「この商品で免疫力を上げよう!」みたいな宣伝文句にフラーッと引き寄せられ、何も考えずに衝動買いをしてしまう人も多くみられます。商品を販売している側、メーカー側からすれば、宣伝文句で、売上をあげるための販売戦略でもあるわけです。(わたしは仕事で売る側なので言わせていただきますが・・)ちゃんと効果のある優良な商品もあれば、大して効果のない商品まで、様々なものが市場には出回っています。

流されるように商品を買ってしまったり、間違った行動をしないようにするためには、わたしたち一人ひとりが、「3つの力」を身につける必要があります。

1、自分がどんな状態なのかを「診る力」
2、自分には何が必要かを「見極める力」
3、自分に合う商品を「選ぶ力」

なので今回、『一生使える、「免疫力」の基礎知識』という記事を書くことに決めました。免疫力の基礎知識をしっかり理解すれば、3つの力である「診る力」「見極める力」「選ぶ力」が身につきます。

免疫力を上げるために、今の自分がやるべきことがわかり、正しい行動をとることができるようになります。商品選択も、今の自分にはこれが必要だ、と選ぶべき商品がわかるようになります。

そして、「ウイルスなんて、怖くない!」「すぐにやっつけられるから大丈夫!」というぐらいの強いカラダになっていただきたいと思っております。

免疫力の基礎知識は、一度習得すれば、一生使えるものです。自分だけでなく、大切な家族を、大切な人を守り、みんなが健やかに生活していくことに繋がります。ですので、この機会にぜひ、知識を身につけていただけたらと思います。(^^)/

そもそも、なぜ免疫力が大事なのか?

わたしたちのカラダは、「免疫力」という機能を備えています。ウイルスや細菌などの外敵からカラダを守ったり、病気を治すことができます。

ウイルスや細菌から身を守るためには、大きく分けると2通りに分けられます。手洗いやうがい、マスクなど、外から外敵の侵入を防ぐ「外側ケア」と、免疫力を高める「内側ケア」。どちらが重要かというと、圧倒的に、内側からのケアが大事。

ウイルスや細菌などの外敵はたくさんいるので、全てを完全に防ぐことができません。しかし、有害な外敵が侵入しても、カラダを守る力が十分に機能していれば、感染を抑えて健やかな状態を保つことができます。また、ウイルスや細菌、異物という外敵だけではなく、毎日できているがん細胞を消滅させたり、免疫力は健康において最も重要な要素の一つです。わたしたちが生きていくために、絶対に欠かせない「免疫力」について、詳しく理解を深めていきましょう!(^^)/

免疫システムを理解する

わたしたちのカラダの免疫システムについて説明します。ウイルスや細菌などの外敵が侵入してきたとき、カラダの中では何が起きているのか?これをきちんと理解することで、カラダのケアの方法がわかるようになります。

免疫細胞はたくさんの種類がありますが、その中で免疫力を司っている主体は、白血球です。白血球には、単球、リンパ球、顆粒球の3種類の成分があります。なかでもリンパ球は、免疫機能の中心的役割を担っています。

リンパ球には、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞があります。リンパ球の70〜80%がT細胞、5〜10%がB細胞、15〜20%がNK細胞です。

NK細胞は文字通りの〝殺し屋〟で、がん細胞やウイルス感染細胞などを見つけて攻撃する細胞です。このNK細胞の数や活性は、年齢とともに低下していきます。また、ストレスや睡眠不足、疲労、食生活の乱れなどでも低下することもわかっています。一方、笑ったり、自然の中でリラックスしてしているときなどにNK細胞が活性化されることも臨床試験で明らかになっています。

                                              白血球
                                     /           |        \
                              単球                 リンパ球             顆粒球
        /  |      /       |  \                |         \        \  
マクロファージ   樹状細胞   T細胞    B細胞 NK細胞   好中球 好酸球 好塩基球

(↑  スマホで見ると、図が切れてしまいます。スマホを横にすると、図が切れずに見えるかと思います。m(_ _)m )

単球には、マクロファージと樹状細胞があります。マクロファージは、病原体などの異物を食べて、処理したり、食べきれない場合は、その情報を他のリンパ球に伝えて助けを求める役割もあります。このため貪食細胞、抗原提示細胞とも呼ばれています。さらにマクロファージは血液中に残った余分な栄養成分も処理してくれます。このため、食べすぎて栄養過多になり、マクロファージが栄養処理に専念する状態が続くと、ウイルスや細菌などに対する防御機能が低下するので、日頃からバランスの良い食生活や腹八分目を心がけるだけでも、マクロファージの活性を保つことにつながります。

マクロファージの働きは、38.5 度でより増強することが、研究で明らかになっています。インフルエンザなどに感染して熱を出すのは、体の中で免疫細胞が最適条件でウイルスと戦っている結果ということになります。

顆粒球には好中球、好酸球、好塩基球があります。中でも、好中球は異物の代表である細菌を食べてくれる強い貪食能力と殺菌能力を持ち合わせています。

このように、免疫細胞にはそれぞれの役割分担があり、お互いに連絡を取り合ってチームプレーで戦っています。「外敵を発見するもの」「その情報を伝達するもの」「外敵を攻撃するもの」「外敵への攻撃命令を出すもの」「外敵への攻撃の始まりや終わりを告げるもの」などといった具合に、鮮やかな連携のもと、外敵をやっつけてくれるのです。

この連携プレーが1つでも乱れてくると、免疫力が低下し、細菌やウイルスなどに罹りやすくなったり、過剰に働いて健康な組織を傷つけてしまいます。

《外敵が侵入したら・・》
 発見 →  → →  攻撃 →  →  →    終わりを告げる
  ↓                                               ↑
・その情報を伝達 → →  攻撃命令    →  →    攻撃
・攻撃開始を告げる →    →     →    →    →     ↑

ざっくり、簡単にですが、図(↑)にしてみました。すごい連携プレーですよね!わたしは学生時代に学んだとき、「うわー!すごーー!!」と感動しました。これだけの素晴らしい機能が、一人ひとり、みんなに備わっているのは、本当に有難いことですが・・・活かすも殺すも自分次第。この本来持つ素晴らしい免疫力を、ぜひ、十分に活かしていきましょう!(^^)/

免疫機能を十分に活かすには

免疫機能には、体内に侵入したウィルスや細菌などをただちにやっつけてくれる「自然免疫」と、侵入したそれらの情報をリンパ球が認識し、その情報に基づいて特定の異物を排除する「獲得免疫」が存在します。

自然免疫を担当するのはマクロファージ、NK細胞、好中球です。獲得免疫を担当するのはT細胞、B細胞です。ワクチンは、獲得免疫の特徴を応用したものです。ワクチンを打つと、同じウイルスが体内に入ってきた時に、素早く集中攻撃してくれます。これを獲得免疫反応と言います。

今回の新型コロナのような、獲得免疫がないウイルスの感染予防には、生体防御の最前線に立って活躍する自然免疫のシステムを維持したり、低下した免疫力を高めることが重要となります。

つまり、マクロファージ、NK細胞、好中球の働きを活性化するための生活習慣を取りれること、免疫機能の連携プレーがパパパッとスムーズに働くような体内環境を整えることが重要になってきます。

具体的には、よく笑う、リラックスする、疲れやストレスを溜めない、適度な運動、良質で十分な睡眠をとる、食べ過ぎない、栄養バランスのとれた質の良い食事をとる。また、免疫細胞をしっかり全身に巡らせるために、血流を良くしたり、適度な水分摂取、お風呂にしっかり浸かる、冷えを防ぐ、なども有効となります。

免疫細胞たちのサポートリーダーは、自分自身です。〝MY免疫会社〟と考えてみれば・・、社員=免疫細胞たち、社長=自分自身。社長のお仕事は、社員たちが働きやすい環境を作ること、会社がしっかり機能しているかをチェックすること、どうすれば生産性が上がるかを考えて対策をとっていくこと。放ったらかし、知らんぷり、奴隷扱いでは、ダメなのです。「何だよ、社長は何やってんだ?」「わたしたちだけ働かせておいて何様!?」と、免疫細胞たちに愚痴や不満が溜まってしまいます。免疫機能を十分に活かすコツは、免疫細胞たちとの良好な関係を築くこと。免疫細胞たちに感謝をしながら、免疫細胞たちが元気に働けるよう、サポートしていきましょう!(^^)/

さて、免疫細胞たち(社員たち)への愛情が芽生え始めているかと思うので、次は、免疫細胞たちの生みの親でもある腸内細菌と、独自の免疫機能を持つ腸の働きについてみていきましょう。(^^)/

「腸」は免疫力を高めるための要!

免疫細胞の約70%は腸内細菌によってつくられており、腸は免疫力を高めるための要となっています。腸は栄養成分の消化吸収を行うだけではなく、細菌やウィルスなどの異物が体内に侵入しないよう防ぐ働きも担っているのです。

実は食べ物も体にとっては異物です。口にした食べ物には細菌やウィルスなどの有害物質が付着しているかもしれません。そのため、小腸にはリンパ小節が集合する「パイエル板」など独自の免疫組織が発達しています。これにより、異物の侵入を防いでくれているのです。有り難いですね。

このように、免疫力を考えたとき、「腸なくしては、免疫なし!」というぐらい、とても重要な機能があるのです。腸にも、愛情を感じ始めてきたはずです。(笑) 次は、腸内環境についても理解を深めていきましょう!(^^)/

腸内環境を整えて免疫力を維持・強化する

ここまで免疫の仕組みについてざっくり書いてきましたが、免疫機能を正常に働かせたり、加齢とともに衰える免疫機能を高めるには、腸内細菌のバランスを整えることが重要です。

日常の食生活の中で、腸内環境のバランスを整える方法としてよく知られているのが、納豆や味噌、ヨーグルトなどの発酵食品を積極的に摂ることです。

発酵食品に含まれる発酵微生物の代謝産物が良いはたらきをします。中でも酵母などの細胞壁に存在するβ-グルカンは小腸のリンパ球を刺激して、マクロファージなどの貪食細胞を活性化させてくれることが知られています。

食物繊維オリゴ糖も、腸内環境を整えるのにはとても有効です。小腸で消化されずに大腸に到達した食物繊維やオリゴ糖は、ビフィズス菌や乳酸菌など、腸内細菌の善玉菌の餌となります。

また発酵調味料の代表格であるお酢には、発酵過程で微生物により作り出される酢酸と呼ばれる短鎖脂肪酸が多く含まれています。この短鎖脂肪酸は腸内細菌が食物繊維を分解することでも産生されます。短鎖脂肪酸の一部はブドウ糖とは別のエネルギー源として体内で利用されたり、腸のエネルギー源となったりします。さらに腸管の働きを活性化したり、免疫の爆走を抑える制御性T細胞を増やすなど、様々な機能が明らかとなっています。

このように、「何を食べるか?」「どんな生活をするのか?」というのが、免疫力に大きく影響を与えます。

さて、腸内環境や腸の機能については、まだまだ沢山書きたいところなのですが、今回は、免疫力の基礎知識、ということなので、このあたりまでにしようかと思います。最後に、大事なことを書いて終わろうかと思います。

カラダとの関わり方が免疫力に影響を与える

多くの人は、「免疫力を上げる方法」というような「ノウハウ」を求めてしまいがちなのですが、方法やノウハウよりも、もっと大事にすべきことがあるのです。それは、カラダとの関わり方、「あり方」です。自分のカラダとのコミュニケーションをとることが、わたしは重要だと思っています。

この記事の途中で、〝 MY免疫会社〟として例えましたが、自分のカラダで何が起きているのか?細胞たちは何が言いたいのか?細胞たちがどんな状態なのか?細胞たちがイキイキと活動するには、どんな環境を作ればいいのか?働いてくれている細胞たちに感謝し、思いやりを持って関わることが重要だと思っています。こう言うと、「人じゃないのに、人みたいに扱うんですか?」と思うかもしれませんが、人と人の関係性と、自分とカラダとの関係性は、何ら変わりないと思っています。

自分自身とカラダとのコミュニケーションが取れ、信頼関係が築かれ、良好な関係ができてくると、お互いに良いパフォーマンスを発揮できるようになってきます。わたし自身、カラダの声を無視し、ムチを打つように働かせていた時があったのですが、その頃は、ほんと、毎日がキツかったです。その後、カラダとの関わり方を改め、接し方を変え、良好な関係を構築していくにつれ、だんだん体調も良くなり、元気になりました。

健康は3つの健康があります。カラダの健康、ココロの健康、社会的健康。この3つは連動していて、一つが著しく低下すると、他も引っ張られて調子が悪くなってしまいます。バランス良く、良好であることが大切です。

令和の今、時代の激動時期でもあり、嫌でもいろいろなことが変化する時代。そんな時代を生き抜いていくのに、「健康」は最強の強みになります。

ぜひ、自分のカラダと良い関係を築いていきましょう!最後までご覧いただき、ありがとうございました!(^^)/



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