【夫とニューヨーク旅】①プロローグ
2016年2月頃だったのではないかと記憶している。
私はその時、珍しくインフルエンザにかかり、娘の部屋のベッドで休んでいた。
当時、私55歳、夫58歳だった。
息子も娘も結婚し、夫は銀行を退職し、新しい職場でのんびり仕事をしていた。
私は、普段元気なので病気になって熱が出ると、ものすごく不安になる。
その時も娘のベッドでいつものように「もう死ぬかもしれない。」と思っていた。
そんな2016年2月のある日の朝、私の人生に輝く出来事が起ころうとしていた。
私の夫が私が休んでいる娘の部屋のドアを開けるなり
「ねぇ、ニューヨークへ行こうよ!」
と言ったのである。
「安く行けるらしいよ! 1年間お互いに英会話勉強して来年の夏に行こうよ!」
とだけ言ってドアを閉めた。
その瞬間から私のインフルエンザは姿を消した。
一瞬で病気は治り元気になっていくのがわかった。
寝てなんかいられない。
来年、ニューヨークに行くんだから、英会話やったり、旅行雑誌見て、YouTubeやブログで実際に行った人の最新情報を見て、準備しなくちゃ。
夫はその時、本気でニューヨークに行こうとは思っていなかったのかもしれない。
私が次の日から人が変わったみたいに本気になっていったので後戻りできなくなったのかもしれない。
私たちは団体旅行ツアーというものが苦手で何時何分にどこどこに集合と言われると、時間が気になって気になって楽しめないのだ。
海外旅行なんて行ったことない私たちだけど、英語も話せない私たちだけど、せっかくのニューヨークなのだから好きな所に好きなだけ居たい。
私たちにとってはニューヨークのマンハッタンの旅は、アドベンチャーでしかない。
でも50代後半の私たちにとってそんなアドベンチャー旅行をするエネルギーは今しかないかもしれない。
私はこのまま何事もなく日本女性の平均寿命まで静かに生きて静かに死んでいくだろうけれど、50代の後半にちょっと危険な目に遭ったっていいじゃないか。
何事もない人生が良いのか、怖い目にも遭ったよねの人生がいいのか、と考えていくと、私はその時は刺激のある人生を選ぶべきと思った。
たかがニューヨークに夫と行くだけなのに、私は私なりに腹をくくった。
もちろん準備は万全にやったつもりだった。
旅行会社も一切頼りにしなかった。
インターネットがあってからこそ実現した二人だけのニューヨーク旅行だった。
スマホがあるからこそ実現したニューヨーク旅行だった。
コロナ前であったことがラッキーだった。
もうすぐ64歳になる私は本当にニューヨーク行ったのかな?と最近思うようになった。
ニューヨークにいた数日間のことをもう一度思い出して記録に残しておきたいと思うようになった。
パスポートを見ると確かに2017年6月に行っている。
消えかかっているけれどニューヨークで買い物したレシートもある。
ニューヨークで1週間乗り放題のメトロカードを買って地下鉄に毎日乗っていたそんな地図も残っている。
私が作った旅行計画書も残っている。
本当に行ったんだ。
時々思い出す、優しかったニューヨーカーの女性たち。
私の肩を持って「Are you okay?」と心配してくれた女性、
地下鉄の中で座る席を探していると、足をすぼめて目配せをして座らせてくれた女性、
財布がコインでいっぱいになって、支払いの時に私のコインケースをのぞいてコインケースから取ってくれたチェルシーマーケット雑貨屋のレジの女性、
ベーグルのお店がわからなくて地図をぐるぐる回してたら、声をかけてくれて自分のスマホで探してくれて教えてくれた女性、
メイシーズのデパートのレジで優しく接してくれた女性。
2017年6月12日から17日までニューヨークにいました。
その時のことを思い出せる限り記録してみようと思います。
TOPの写真はニューヨーク公共図書館の前のライオン像の所で撮った到着翌日の写真です。
ニューヨーク公共図書館は私の大好きなオードリー・ヘップバーン主演映画「ティファニーで朝食を」に出てきます。
下の動画は「ティファニーで朝食を」の中から図書館のシーンです。
次回はニューヨーク旅行までに準備したことについて書きたいと思います。
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