フェミニスト=性的なことをしない?-自分がフェミニズムなんて...と避けている人へ
ある日、僕がフェミニズムを学んでいるというと、男性の友人からこう言われました。
「フェミニズムか〜、大事だと思うけど、俺、遊んじゃってるしなぁ」
なるほど、遊んじゃってることとフェミニズムを学ぶことは両立しないのか〜、、
んじゃ、僕もセックス楽しんでるしフェミニズム学ぶのやめようかな。。。。。。。。。。
とはなりませんでした。
なぜなら、フェミニズムを実践することは、セックスをしないということではないからです。
フェミニズムに対するイメージ
世の中には、フェミニズムは「男性を嫌い、セックスを嫌う思想」という偏見を持つ人がいます。フェミニズムやフェミニストはそのほかにも、男勝りな女たちで、細かいことに目くじらを立て、なんでも差別という、などの偏見を持たれています。
そこから、僕の友人も、「フェミニスト=性に主体的ではない・性的なものを拒否する人」というイメージを持ち、フェミニズムは女性の権利を守る大事なものと認識しながらも、避けてしまっていたようです。
フェミニズムとはなんなのか
では、フェミニストは単に男性への嫌悪や、セックスの否定から活動しているのでしょうか。フェミニズムとはなんなのか、いま一度確認してみましょう。
フェミニストの主張
みなさんは、実際にフェミニストとして活動をする方に会ったり、フェミ
ニズムについての著作を読んだことがあるでしょうか。フェミニストたちがフェミニズムをどう捉えているかを知ると、上記のようなフェミニズムのイメージが、すぐにでも崩れるはずです。
アメリカのフェミニスト・社会活動家、ベル・フックスさんはその主著『フェミニズムはみんなのもの』で、「フェミニズム運動は単に女性が男性に反対するものだとみなすフェミニストがいるなら、それはあまりにも単純素朴で間違った考えである。」とし、フェミニズムを「性にもとづく差別や搾取や抑圧をなくす運動」であると説明しています。
また、東京大学大学院でフェミニズムやクィア理論を研究している清水晶子教授は、『フェミニズムってなんですか?』で、フェミニズムの基本の一つとして、「改革の対象は社会/文化/制度であると認識すること」を挙げています。
フェミニズムは、男性を嫌いセックスを嫌うものではないのです。
それに、単に女性が男性に反対するというわけではなく、差別や搾取や抑圧を生み出す社会や文化、制度の変革を目指すものなのです。
フェミニズムの歴史
実際、フェミニズムは女性への差別や搾取、抑圧をなくすために、家父長制など差別的な制度や社会、文化を批判の対象にし、運動されてきました。また、変化を続け、アップデートを続けながら今に至ります。
ごくごく簡単にフェミニズムの歴史をまとめると、フェミニズムは以下のような流れで発展してきました。
※Palettalkというメディアがフェミニズムの歴史を漫画でわかりやすく解説してくれているので、こちらもぜひ読んでみてください。
フェミニズムはセックスの否定ではない
ここまでみてみると、フェミニズムは「男性を嫌い、セックスを嫌う思想」というイメージは、単なる偏見であるとわかりますし、フェミニズムを実践することは、セックスをしないということではないとわかります。
もちろん、セックスに対して嫌悪感を抱いていたり、興味がない人がいるのは当たり前のことです。それに、中には、男性への嫌悪や性的なものへの嫌悪から出発して、フェミニストとして活動する人もいるでしょう。
しかし、フェミニズムと性嫌悪が必ずしも=で結びつくものではないということは、知っておいてもらいたいなと思います。
セックスをする人も、そうでない人も
だから、冒頭で紹介した僕の友人のように、遊んでいるからと言って「自分なんか〜」と思わなくてもいいし、フェミニズムについて学ぶなら性的なことをしちゃいけない、なんてことはないのです。
むしろ、異性や同性との性的関係を築く上で、相手を傷つけたり、知らず知らずのうちに差別をしたりしないようにすることはとても大切で、そのためにフェミニズムを学ぶことは、非常に有効なことだと思います。
フェミニズムは、セックスをする人にとっても、そうでない人にとっても、自分を大切にし、関わる人を大切にする手助けになるはず。
今まで避けていたという方や、自分に資格があるかと不安を感じたことのある方もいると思います。そのような方もぜひ、フェミニズムに触れてみてください。
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