見出し画像

時系列で市場・顧客の変化を捉える:定点観測から得られる洞察とその価値について

最近読んで興味深かった本が『ストリートファッション1980-2020』です。この本では、1980年から2020年までの40年間、街を舞台にファッションの変遷を定点観測し、その社会的価値観やトレンドの移り変わりを考察しています。

「ストリートファッション1980-2020」の中では、次のように述べられています。

街を舞台に、そこに集まるファッションに敏感な若者を、衣服に限らず、音楽やアート、食などの新しい事象を創り出すイノベーターとして定期的に捉えることで、次のトレンド芽を見い出そうという活動だった。

ストリートファッション1980-2020 P336より引用

同じ場所で40年もの時間軸で観察され続けたファッションスタイルの変化をもとに社会の価値観やトレンドの移り変わりが考察されています。

このように、特定の事象を一時的な「点」で捉えるのではなく、定点観測を通じて「面」で捉えることで、より深い洞察が得られます。この視点を取り入れることで、よく使われるPESTやSWOTなどのフレームワークによる「外部環境分析」を、より充実させることが可能になると考えています。

PEST分析から仮説を考える視点整理

ここに、定点観測の視点を取り入れることで、より分厚い分析ができるようになると考えています。

過去の含めた事実観察・事象同士の関係分析・トレンド仮説の視点を往復することが「面白いアイデア」をつくるのではないか?

マーケティングセンスがあるとは?

過去の事実を踏まえ、事象同士の関係を分析し、トレンド仮説を立てる。このプロセスを繰り返すことで、より「面白い企画・アイデア」が生まれるのではないでしょうか。

いわゆるマーケティングセンスがある人の特徴は、市場や文化を「長い時間
軸」で捉え直して見る
ことを行なっているのではないでしょうか?

では、どのように長い時間軸で市場・顧客の変化を捉えて「マーケティングセンスを磨く」ことができるのでしょうか?

ここから先は

1,935字 / 1画像

マーケティングトレースのnoteメンバーシップコミュニティです。 マーケティング思考を深めたい、少…

スタンダードプラン

¥1,500 / 月