ファシリテーションにAIを介入させることの可能性
マーケティングに関わる人は、各部門の調整をしたり、戦略の共通認識をとったりすることが多いはのでファシリテーション能力は必須スキルだと考えています。
そして、ファシリテーションにAIを活用することで、よりフラットに対話・議論ができる場をつくりやすくなっていると感じています。
最近に実践してみての発見・学びを共有できればと思います。
ファシリテーションにAIが介入する意味
人間の思考や行動は、自分たちが思っている以上に適当で、主観たっぷりです。
そんな人間がファシリテーションをすると、議論がフラットになっているようで、主観的な判断に偏ってしまいやすいです。
ベイジの扮谷さんのツイート内容にとても共感です。
さらに、下記の取り組みを知り、良い議論をするためにはAIに介入してもらうことの可能性をさらに考えるようになりました。
とても面白い取り組みなので、ぜひページも見てみてください。
改めて、ファシリテーションの基本プロセスを整理しつつ、その中にどのようにAIを組み込むかをまとめてみました。
ファシリテーターの役割とは何かの整理
ファシリテーター5つの役割を整理すると下記の5つになると考えています。
議論の進行管理
参加者の意見を引き出す
議論の質を高める
意見の整理
知識の整理と共有
上記の役割を踏まえて、マーケティングのプロジェクトで、どのようなポイントを押さえてファシリテーションができると良いかをお伝えしていきます。
1. 議論の進行管理
議論の進行管理は、アジェンダ作成・目的・目標設定などを行うことのイメージです。
目的を整理する時のポイント
目的を把握するためには、次の4つの角度から議論をする意味を考えると、共通認識は取りやすくなります。
事前にチェックをしておきたいのは、下記4つの視点です。
ポイント:議論の大前提をまとめておく
そもそも、この場は何が大前提にあって成立しているのか?を整理しておけるとスムーズにファシリテーションがしやすくなります。
ビジネス・マーケティング目標や関連指標は下記のフォーマットで整理しておけると共通認識は取りやすい。
また、戦略ステートメントを作成しておき、前提条件を整理しておくことも有効です。
なるべく前提条件はの全体像はまとめておけると、議論は進めやすくなります。
上記の前提情報の整理もChatGPTをフル活用すれば一瞬です。
2. 参加者の意見を引き出す
参加者の意見を引き出すためには、問いを工夫することが重要です。
いくつか問いのパターンを持っておくと、対応しやすくなります。
下記は、『「対話と決断」で成果を生む 話し合いの作法』の内容をもとに、自分が普段使っている問いのパターンです。
一歩踏み込んだ「問い」をつくる方法
1. 定量的に踏み込む
具体的な数字を指定して、相手の思考に制約をかけ、意見を引き出す
2. 定性的に踏み込む
経験した出来事について、より詳細に描写させる
3. 仮定法で問う
仮定上の過去や未来を想起させる方法
例えば、「もし仮に、時計の針を戻すことができるとしたら、あなたは職場の中で、どんなリーダーシップを発揮しますか?」、「もし仮に、あなたがこの職場のリーダーだとしたら、職場の何を変えますか?」といった問い
「4. ジレンマを問う」
問いの中に「ジレンマ状況(にっちもさっちもいかない状況)」を入れ込み、思考を揺さぶる方法
上記の問いを、議論テーマに合わせてChatGPT活用して作成するのがオススメです。
例えば、マーケティング計画策定に関して上記の問いを当てはめてChatGPTに出してもらうと下記のようになります。