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2022年の写真〜記憶に刻んだ10のこと〜 後編

新しい年を迎えました。2023年。
本年もよろしくお願いします。

なぜだか滞っていた「毎月の振り返り」
本年より再開することにしました。小さく宣言します。

その前にまず2022年の写真13942枚から、
最も僕の記憶に刻んだ出来事を、
組写真にしてランキング形式でのこしておきます。

「2022年の写真〜記憶に刻んだ10のこと〜」
前編では第10位〜第6位を。
今回は後編、第5位〜第1位までです。

さようなら2022年。ようこそ2023年。
今年も、自分の、誰かの、心にのこる写真を。
記憶と記録をのこしていきます。


第5位 「夏の日の親子」

7月のある日。「泳ぐついでにルアーも拾おうかなと思って」と地元高校生とカヌーを浮かべる父親。昨今、言葉だけがよく宙を舞っている「SDGs」。屈斜路湖とともに歩む親子は特別な言葉なくとも、身体に染み付いているものです。心動かされた瞬間でした。未来に残したい光景です。

カヌーを蹴って飛び込む。
日が陰る日没際。「さむっ」と少し震えながら潜る姿、勇ましい。


第4位 「渚滑川と野犬の群れ」

11月上旬。小雪舞う渚滑川に旅に出ました。1泊2日の行程で滝上から紋別市まで、目指すはオホーツク海。その旅の途中、初めての出会いがありました。野犬の群れです。その目は飼い犬の目とは違い、その奥に何かを秘めているような瞳。我々に向かって淡々と吠え続ける姿、近づくと群れで襲ってきそうな気迫、これも人間が作り出してしまった「状態」なのでしょうか。忘れられません。

この写真には写っていませんが、遠くにボスと思われる犬が一頭。ボスの一声で皆が動いていた。
少し近づくと川に入ってきそうな勢い。僕らは数分、考えた。


第3位 「狙い澄ました滑走の瞬間」

2月。構想から2年の月日を経て、5日間の計画で斜里岳へ。3人で何度もイメージを擦り合わせて撮影できた1本のその瞬間。心が震えました。全てをやり終えた4日目の夕方、テン場近くの沢のボトム。全ての滑走を終え、藻琴山に差し込む夕日を眺めたその瞬間、達成感と安心感が込み上げてゴーグルの中で目頭が熱くなったことをよく覚えています。

何度も斜面をみつめ、コンディションと気象を考慮していくつかのプランをたてた。
この瞬間に5日間をかけた。
藻琴山に差し込む夕日。


第2位 「天授を全うした祖父と止まった時間」

僕の祖父の話を少しさせてください。祖父は昭和3年の生まれ。北海道開拓に入る父親と祖父に連れられて、福島県から別海町西春別にやってきたと聞いています。まだ幼いころです。電気も水道もない時代。生活のために必要な水は川へ。光源は灯油ランプです。大地に挑戦し、酪農でなんとか生計を立ててきた祖父。戦争も経験しており、僕が戦争の話をした際「あの東條がな!!」と声を荒げたこと、忘れられません。すぐ近くに戦争があったんだ、そう思わせてくれました。

晩年の祖父に1つ質問をしました。
僕「生きてて一番嬉しかったことは何?」
祖父「確か中学生だったかな、電気が通った時だな〜、あれぁ〜嬉しかった。あんなに嬉しかったことはねぇ。もうホヤの掃除しなくていいんだって思ったもんだなぁ。」
はにかんだ笑顔で話してくれた祖父の姿。忘れられません。

祖父のいない家を撮影したこの写真。母も暮らしたこの家。
きっといつ見ても多くのことを思い出します。
祖父の生き様、この胸に。
じいちゃん、ありがとう。
もっとたくさん話、ききたかったな。

2020年10月9日。祖父が病院へ行った日のカレンダーがそのまま。
釣りの名人だった祖父。メーター越えのイトウ。
寡黙な祖父も釣りの話となると嬉しそうに話をしてくれた。
違う形だが川と向き合う僕、血は争えない。


第1位 「1人と1匹の寝顔」

彼女とカイの寝顔、何枚撮っただろう。
いつも僕の心を満たしてくれる存在。
温かく、やさしく、そっと心を震わせてくれる存在。
これからも僕の記憶に刻み続けたいと思います。

2023年1月1日。僕らは夫婦になりました。
温かく笑顔溢れる家庭を築いていこうと思います。
これからは妻とカイの寝顔、撮り続けていこうと思います。
5年後、10年後、何枚になるのだろう。今から楽しみです。

妻の顔出しの許可は得ていません。が、写真撮る人の妻なんだから仕方ないでしょう。
混み合うストーブ前。


最後に・・・
写真、その瞬間を1枚に閉じ込める写真。
本当に大好きです。

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