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2020調剤報酬改定について

既に色んな所で言及されていますので、個人的に注目している部分について書きます。結論から言うと、大チャンスです。ワクワクしています。

1)服薬後のフォローの対象・期間が拡大している

吸入指導(30点/3ヶ月)、服薬後管理(30点/月)、簡易懸濁法(100点/初回のみ)
これらの新設された点数が意味するのは、服薬後のフォローの対象・期間が拡大したということです。
事前に医師の指示が必要なことや、点数が高くないことがやや残念ではありますが、積極的に取って実績を積み上げることで次回改定以降での加点を目指す必要があると思います。

2)病院薬剤師のフォローの対象・期間も拡大している 病院薬剤師の改定に大注目


①退院時薬剤情報連携加算(新設)

僕が最も注目している加算であり、最も注力している領域です。
退院時に処方内容に変更があった場合、その情報を病院薬剤師が薬局薬剤師に提供することで算定できるようです。
いわゆる”薬剤情報提供サマリー”というやつです。
病院側は必ずこの算定を取る方向に動くと考えています。
そうなると必然的に薬局は受け取る態勢作りが求められるでしょう。
この取り組みを成功させるためには、普段から顔の見える関係性が構築されている必要があると考えています。
なぜなら、おそらく少なくない病院で「何のために情報提供する必要があるのか?」といった疑問や新しい業務に対する抵抗感により、なかなか患者本位の形では進まないと予想しています。
そこで必要なのが、対話です。
同じ地域の患者さんをみている医療者同士が顔を合わせて入退院における共通の課題を見つけることが患者本位の連携に繋がります。
いずれこの辺りについても僕自身がチャレンジした内容も含めて共有したいと思っています。

②薬剤総合評価調整加算

服用薬剤調整支援料の医科版です。
これまでは2種類以上の減薬が行われた場合に250点(退院時)を算定できました。本改定により、入院前に6種類以上の内服薬(特に規定するものを除く)が処方されていた患者について、処方内容を総合的に評価して、その内容が変更されて、薬剤師が療養上必要な指導を行った場合に100点を算定できるようになります。
さらに、退院時に処方する内服薬が2種類以上減少した場合に、薬剤調整加算の150点を加算できる二段構えの構造です。
点数は据え置きで、フェーズが一段階増えた格好になります。
入院時の減薬に薬剤師のフォローとアセスメントが介在することが(算定上)必要になります。
いくら入院環境下と言えど、容易く薬剤の中止に踏み切ることは難しい場合もあるでしょう。その時に必要となるのが入院時に薬局薬剤師が提供する情報なのです。
患者さんの普段の状態を継続的に見ている専門家の情報。
在宅療養下で「おそらく中止しても問題なさそうだけど、少しリスクがあるな・・」と感じていた薬剤についてのアセスメントをサマリーに書いて提供するのです。

おそらく①の算定はいずれ薬科にも創設されるのではないかと思います。
服用薬剤調整支援料が新設された際も、先んじて医科に②が新設された後に薬科の方にも新設された経緯があります。理由はいくつかありますが、病院と薬局の力関係や処方権・調剤権の構造上、先んじて病院に創設した方が浸透しやすいことも理由のひとつであると考えています。

まとめ

1)服薬後のフォローの対象・期間が拡大している
2)病院薬剤師のフォローの対象・期間も拡大している 
以上を踏まえると、薬局側から伸びていくフォローのベクトルと病院側から伸びてくるフォローのベクトルが患者さんの体内で出会う時が来ると思っています。
それこそが地域包括ケア時代に求められる薬物治療のあるべき姿だと考えています。

この流れをより強くするべく行動していきます。
みなさんのご意見やご活動も共有していただければ幸いです。

今日もありがとうございました。

いつも読んでくださりありがとうごさいます。みなさんが読んでくださることが活力になっています。