見出し画像

薬剤師に必要なたった2つの技能

あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。

昨年10月に異動があり、同時に担当患者さんも変わりました。
担当者変更は処方見直しのチャンス!ということで、主に減薬を進めています。

先日、採用基準(伊賀泰代著)を読んでいたら、その内の一例とも重なり、自分なりに気づきがありましたので書いてみます。

あるご高齢の患者さんのトコフェロールカプセルに漫然投与の疑いを抱きました。

画像1


そこでまず、既往歴や採血値やバイタル、症状から高血圧症と脂質異常症は除外しました。
残るは閉塞性動脈硬化症ですね。みなさんならどうしますか?

これを除外するためには、下肢エコーを行う必要がありますが、実は在宅でもエコーを行うことができます。
医師にエコーのオーダーを依頼し、結果は異常なく、患者さん自身も「色が気持ち悪くてできれば飲みたくない」とのことで中止になりました。

ここからが本題です。
この“ポリファーマシーを解消する“という成果を掴むために必要と考えられる技能はなんでしょうか?

それは“問題解決力““リーダーシップ“の2つです。

問題解決力は簡単ですね。
ビジネスならば、MECEなどのフレームワークの知識、薬剤師ならば薬学や医療介護の専門知識です。
今回の例で言えば、バイタルサインやフィジカルアセスメントの技能、そして在宅でエコーが使えるという知識でしょう。

このアセスメントを他職種に伝えて巻き込むコミュニケーション力も、この問題解決力の中に入ります。

これで十分じゃないか、と思いますよね。
僕もそう思っていました。
実は違います。

ここで何より重要な技能は“リーダーシップ“なのです。

“リーダーシップ“と聞いて、どんなイメージをしますか?
人々の先頭に立って率いていく人、例えば店長や社長や医師、ではありません。

課題を発見し、目標や目的を達成するためには「自分ならどうするか?」と考えて行動ができることこそが“リーダーシップ“なのです。

今回の例で言えば、“患者さんをよくする“というチームの目標に対して、トコフェロールの漫然投与という課題を発見し、エコーをオーダーするというアクションを起こせる技能です。

私は縁の下の力持ちタイプで、そんな才能ありません・・。という方もいらっしゃるでしょう。

例えば、宴会でサラダを取り分けて下さるあなた、リーダーシップがあります。
楽しく飲んで食べるという目的達成のために、なかなか手がつかずに次の料理がテーブルに置けないことが無いように、円滑に会が進む一手を講じていますよね。

薬剤師が薬学を使って患者さんをよくし、地域医療を切り拓くためには、この“リーダーシップ“の技能が最重要であり、ひょっとすると最も不足している力かもしれません。

そしてこの技能は才能だけではなく、育てることができるそうです。

僕自身、社内で採用と教育・研修を担当していますが、採用段階から“リーダーシップ“を意識した戦略に加えて、1年目から“リーダーシップ“を養成するシステムが必要な気がしています。

自らが“リーダーシップ“を示し、他のスタッフの“リーダーシップ“を触発したり育むことが、これからの数年のテーマになりそうです。

最後までお読みいただき、ありがとうございます!


いつも読んでくださりありがとうごさいます。みなさんが読んでくださることが活力になっています。