あの頃の私に捧げる弔辞。大嫌いな地元を飛び出し、東京で生きています。
私は「東京」が好きだ。
小さなワンルームの窓ガラス、滲んだネオンの光。
東京タワーもスカイツリーも見えないけれど、ここは確かに東京で。
私は隣にどんな人が住んでいるか知らない。
誰とも口を聞かずに終わる一日がある。
欲しいものは、なんでも、お金で買える。
そして、誰も私のことを知らない。
私が目指す夢も、私が好きな音楽も、私が思い出したくない過去も、この街はどこ吹く風で。
興味なさげに俯く街、すれ違う人の顔も声も知らないまま終わる人生を肯定する街。
真夜中、逃げ出すように出