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Premier League 第30節 Arsenal vs Liverpool アーセナルを攻略したプレス回避と最強のJOKERの存在

皆様こんばんは!

この記事は全文無料で見ることができます!もしよろしければ投げ銭よろしくお願い致します!最近まったく更新をせずに今日までやってきてしまいました。個人的な用事で忙しくレビューを書く暇がなかったのですが、やっと物書きができる時間を確保できたので記事を書いて行こうと思います。

今回はイングランド・プレミアリーグ第30節のアーセナルvsリバプールです。

両チームのスタメン

アーセナル

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リバプール

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アーセナルの前プレ

アーセナルは前半立ち上がりに積極的に前プレをかけにいって、試合の主導権を握ろうとしました。具体的な方法は図の通りです。

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ウーデゴールは基本的にファビーニョを捕まえながら、ラカゼットとCB2枚をチェックします。また、横パスが出た場合には、2人のうちの近い方がCBへアプローチをかけます。ウーデゴールはカバーシャドーにより、ファビーニョへのパスコースを消しながらアプローチを行なっていました。残る前線のオーバメヤン,ぺぺの2人は中間ポジションをとりながら縦パス,斜めのパスをケアして、それぞれのサイドのSBへボールが出たら前に出てアプローチを行います。セバージョス,トーマス・パーティーのダブルボランチはそれより後ろのスペースをカバーして、基本的にはIHとマッチアップする構造になります。

リバプールのプレス回避 その①

このアーセナルの前プレに対してリバプールは幾つかの回答を持っていました。1つ目は、「個ではがす」です。先程のシーンでは、横パスを受けたカバクが、右へ1歩ボールを持ち出し、アーノルドへのパスをチラつかせたことによりオーバメヤンが前に出ます。その空いたスペースにチアゴが流れてくることで前進を行なっていました。

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また、カバクの相方であるフィリップスもある程度縦パスを出せる選手に成長していて、チアゴやフィルミーノへの縦パスを何度か出していました。

リバプールのプレス回避 その②

2つ目の回答は、「ロングキックではがす」です。バックパスや横パスを使って相手を前に引きずり出し、後方で数的優位を作ってから、ロングキックで一気にプレス回避を行ないます。

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このシーンでは、ファビーニョが下りることによって4vs2の数的優位ができて、パスの選択肢が増える他に、CBが運ぶという選択肢ができます。この運びを上手く利用してロングキックによるプレス回避が前半立ち上がりは行えていました。

リバプールのプレス回避 その③

そして、3つ目の回答は、「IHを下ろす」です。IHがCB、SBのパスコースを作ってあげることで、ボールサイドに相手を寄せて、相手が出てくることでできるスペースにボールを送り込むというのがこの方法です。

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このシーンでは、右サイドに相手を誘導して、オーバメヤンを前に引き出します。その空いたスペースにチアゴが流れてきて、その後、サイドチェンジにより逆サイドからの前身に成功しています。

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また、このシーンでは、ミルナーが下りながらCBのパスコースを確保できるようにサポートして、最終的にはチアゴのパスによってプレス回避を行なっています。

リバプールのプレス回避 応用編

また①と③を組み合わせた応用編ともいえる形も見受けられたので紹介します。

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ミルナーがCBの間に下りることにより、後方で4vs2の数的優位を作りながら、チアゴもミルナーからパスを引き出せる位置まで下がってきます。これによりオーバメヤン,トーマス・パーティーのどちらが前に出るのかの判断を迫ることができます。さらに、オーバメヤンはチアゴに着いていくのか、それとも、アーノルドのマークに行くのかを判断しなければなりません。

このシーンでは、オーバメヤンはその場に留まったため、ミルナーからアーノルドへとロングキックが送り込まれ、サラーとアーノルドvsティアニーと2vs1の状況を作られてしまいました。このような相手に一瞬の判断を同時に迫るリバプールの攻撃は見事だったと思います。※このピンチはセバージョスの鬼の戻りで対処しています。

アーセナルの撤退守備

このようなプレス回避を散々やられたアーセナルは自陣への撤退を余儀なくされます。アーセナルの自陣での守備はボールサイドへのスライドとラインの圧縮によりスペースを消して、ボールサイドでは数的同数もしくは数的優位を作って守っていました。また、逆サイドのWGが中間ポジションをとって、サイドチェンジに対処する構造でした。

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この守備は非常に堅固で、リバプールにほとんどビッグチャンスを作らせないことに成功しました。

コラム① アーセナルが撤退せざるを得なかった理由の補足

アーセナルが撤退せざるを得なかった原因は、リバプールがプレス回避の回答を多く持っていたこと以外にもあります。この試合では、リバプールはトランジションの面で圧勝していました。ボールをロストしたら、すぐに相手のボールホルダーに襲いかかり、ボールの即時奪回に成功していました。そのためアーセナルは前線の3枚に上手くボールを繋ぐことができず、結局ジリジリ下がることになってしまいました。

投入された最強のJOKER

これに対してリバプールは後半からディオゴ・ジョタを投入します。ロバートソンとの交代で、ミルナーが左SB、フィルミーノをトップ下に配置し、ジョタがCFとなる4-2-3-1にフォーメーションを変更しました。これにより何が起こったかというと、フィルミーノが低い位置やサイドでサポートを行なっても、ペナルティエリアや相手の裏のスペースにアタックできる選手を確保できたのです。そのことが分かるシーンを幾つか紹介したいと思います。

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1点目のシーンでは、右サイドで数的優位を作りつつ、エリア内でクロスを合わせる人を確保することができています。また、サイドで数的優位ができているので、アーノルドがフリーになりやすく、彼の必殺クロスが上がりやすいという状況にもなっています。

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また、2点目のシーンでは、フィルミーノの右サイドへの展開からアーノルドへとボールが渡り、セドリックを前に引き出すことに成功しています。そして、右サイドの裏にできた大きなスペースをサラーが突いて2点目が生まれたのです。

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このシーンでは、マネとサラーの2枚で、相手CBと同数で攻撃を仕掛けることができています。

以上のようにリバプールは、ディオゴ・ジョタの復帰により益々破壊力のある攻撃を行なうことができるようになり、堅いアーセナルの守備を崩すことに成功しました。

コラム② ウーデゴール,トーマス・パーティーを封殺したファビーニョ

リーグ戦復帰直後に2点を叩き込んだジョタの活躍も目覚ましいですが、アンカーに起用されたファビーニョも影で物凄く良い働きをしてくれていました。今シーズンはCBに怪我人が続出し、一時期はCBでスタメンに名を連ねることも珍しくありませんでした。しかし、彼がアンカーでなくなったことの弊害として、相手のキーマンがライン間で仕事をするようになってしまいました。要するに、中盤での潰し屋がいなくなってしまい、安定感が無くなってしまったのです。しかし、リーグのウルブズ戦あたりから、ファビーニョをアンカーに戻したところ、中盤の安定感が増し、クリーンシートで終える試合が増えてきました。CBのフィリップスの成長もありますが、やはりファビーニョがアンカーをやることで格段にピンチが減ったと思います。アーセナル戦でもウーデゴールやトーマス・パーティーから何度もボールを奪取し、ピンチの芽を摘んでいました。

まとめ

アーセナルのプレスを回避し、さらに、堅い守備ブロックも攻略したリバプールは相手のビルドアップのミスを突いて3点目をもぎ取り、見事3-0で勝利しました。全ての局面で相手を上回っており、まさしく完勝と呼ぶに相応しいゲームでした。次の試合はCL。対戦相手は因縁のレアル・マドリードです。多くは語りません。絶対に勝ちましょう!!!

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