世界の覇権国アメリカの財政と今後の世界経済の展望
基軸通貨ドルの歴史について
一般的に、アメリカは世界最強の国であり、現代において覇権を握っていると認識されている方がほとんどであると感じます。しかし、実際のところはどのようになっているのでしょうか。
まず、世界の基軸通貨がドルであるということは、一般に広く知られています。これは、アメリカが世界経済における盤石の地位を築いていくために必要なことです。では、いつからドルが世界の基軸通貨で、どのように現在の状態を作り上げていったのでしょうか。
第二次世界大戦以降、米国がある政策を行いました。それが「ブレトンウッズ体制」です。以下はそのわかりやすい説明です。
つまり、第二次世界大戦以降は米国が世界経済の主役であり、ドルだけが唯一「金(Gold)」と交換できるようにしました。金の単位はオンスと呼ばれ、1オンス=35ドルというのが決まられ、この時、1ドル=360円でした。
ところが、1971年に当時のアメリカ大統領であるニクソン大統領によって衝撃的な発表がされました。それが、後に「ニクソン・ショック」と呼ばれるものです。
これは、米国が貿易において赤字を垂れ流していたり、アメリカの財政が悪化していたため、自らで作ったルールを自らで変え、世界経済に大きな影響を与えました。なぜなら、今まではドルと金が交換できるのでその価値を担保していたのに、いきなりこの時を境にドルと金の交換が停止されたので、ドルの価値を裏付けるものがなくなった大きな転換期であると言えます。しかし、どのようにドルを世界経済の中で流通させることに成功したのでしょうか。
ドルと石油の関係
先ほど、世界の基軸通貨ドルの歴史について説明しました。これに加えもう一つドルが強者であり続けるものがあります。それが「ドルでのみ石油を変えるものとする」というものです。これを一般に「ペトロダラー」と呼ばれています。その要因について以下のように述べられています。
自動車や飛行機の燃料、ビニール袋やペットボトルなどの日常生活に欠かせないものをドルので交換できるというのは、それだけ世界経済においてドルの地位が最強であるということがわかります。
こういったことから、ドルで石油を買うために世界の各国は外貨準備としてドルを保有する流れとなっています。
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