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「鬼滅の刃〜無限列車編」はただの大ヒット映画じゃない。人間・煉獄杏寿郎の心を燃やす生き様に学ぶ。

最初にお伝えしておきますが、本記事にはネタバレが多分にありますので、ご承知ください。

異次元のスピードであらゆる記録を塗り替え続ける「起滅の刄〜無限列車編」。日本のみならず、台湾や香港でも大ヒットを飛ばす理由はなにか?

僕が過去に書いた「命は輝いているか?」「なぜ旅行は楽しいのか?」という記事が本記事の伏線にもなっているので、合わせて読むと面白いと思います。

結論から言うと、

「人間の命には終わりがある」

という圧倒的事実を強烈に認識させてくれるからだと思います。

その事実を踏まえた上で、「人間であることの意味」や「人間らしさ」、「これからどう生きるのか?」という誰もが一度は考える根源的なテーマの答えを、この映画では導きだしています。ここに共鳴する人が多いのだと思いました。

僕は発達心理学をベースにした自分づくりに長く取り組んでおり、こういった話には関心が高いのですが、鬼滅の刃は普通に生きているとあまり認識することがない「死」を、映画の世界観とストーリーに感じ、死生観を育むことに繋がるのだと考えます。

煉獄杏寿郎の生き様に学ぶ

「お前も鬼になれ」と言う上弦の参・猗窩座に対し、煉獄は「ならない」と即答し、「老いることも死ぬことも人間という儚い生き物の美しさだ」と語ります。

「なぜ旅行は楽しいのか」という記事で、「終わりが決まっているから」と書きました。だからこそ、人は旅行期間を充実させたいという心理が働くと。

人間も終わりがあるから人生をより充実させたいと思います。死があるというのはとても大事なことです。でも人間の場合は○月○日に死ぬとはわかりません。

加えて死が身近にない現代人は、あたかも「自分はずっと生き続ける」「まだまだ死なない」というような感覚になりがちです。そこにビシッと切り込んできたのが鬼滅の刃・無限列車編であり、煉獄杏寿郎という男の生き様です。

「なぜ自分が人よりも強く生まれたのかわかりますか?」という母から煉獄への問い。母の答えは「弱き人を助けるためです」でした。さらに母の言葉は続きます。

生まれついて人よりも多くの才に恵まれた者は
その才を世のため人のために使わねばなりません。
天から賜りし力で人を傷つけること
私腹を肥やすことは許されません
弱き人を助けることは
強く生まれた者の責務です
責任を持って果たさなければならない使命なのです
決して忘れることなきように

炎柱・煉獄杏寿郎はこれを忠実に体現しました。終わりある旅行を充実させたいと思うように、終わりある人生を充実させたいという思いは誰しもが胸に抱いていることでしょう。

煉獄さんは母の言葉を体現しただけでなく、僕たちが無意識に抱く理想の生き様のひとつを見せてくれたのです。そこに胸を打たれ、魂が震えたのだと思います。

煉獄さんに学ぶべきことは、「人よりも多くの才に恵まれた者はその才を世のため人のために使わねばなりません」ということです。

僕たちは、自分が気づいていないだけで多くの才を持っています。自分の中では普通のことなのに、人から「すごいね」と言われることは全部「才」です。

週末になると、趣味のために何百キロも平気で車を運転できるのも才です。パパッと残り物で美味しい料理を作ってしまうのも才。一日中パソコンに向かっていられるのも才です。犬や猫が大好きすぎるのも才なんです。

その才を必要としている人は世の中に必ず存在します。残り物で料理を作る人がインスタでレシピを配信すればとても助かるお役立ち情報になります。

人生の終わりを知り、自分の人生に使命を持つことで、命は輝きます。ただ生きているのではなく、本当の意味で生き始めることができます。「心を燃やせ」というこの映画のキャッチコピーがそれを見事に表現しています。

日本人は自分を過小評価しすぎるので、自分の才に気づかない人が多いです。せっかくこんな素晴らしい映画を観て感動したのですから、煉獄さんに学び、心を燃やすための火種を見つけてほしいです。

心を燃やし、命を輝かせ、悔いのない人生を生きましょう。
人間の人生には終わりがあるのですから。

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