【洋画】「ボーイ・ミーツ・ガール」
「汚れた血」「ポンヌフの恋人」のレオス・カラックス初の長編監督作品「ボーイ・ミーツ・ガール(Boy Meets Girl)」(1984年・仏)。
モノクロ作品。昔々、渋谷・ユーロスペースで観たと思う。
恋人に振られたばかりの男と、恋人とケンカばかりしてる女が出会い、2人は一時、感情的に燃え上がるものの、女は恋人との悶着を引きずっていて、結局、破滅的な最後(死)を迎える。
デビューしたレオン・カラックスの、若さ溢れる、思い入れたっぷりの、新鮮なカットを盛り込んだ実験的手法も取り入れた、これぞまさにアート・ムービーだと思うけど、それだけに観る方も共感できる若さが必要だ。
従って中年ジジイの俺は、青臭いなぁなどと若さを揶揄する感情ばかりが湧いてきて、ちっと苦痛だったのが正直な感想。
意味があるだろう抽象的なセリフも、わかる奴がわかればいいみたいな、キザっぽくて、独りよがりのワザワザ哲学的にしたように考えてしまう。
コントラストのあるモノクロの画面からわかるパリの夜の表現映像は良いと思ったけどさ。
危うい若さに嫉妬してしまった映画だった。
冒頭のセリフ、「僕らはこうして今も孤独だ。何もかもノロノロと、重く、あまりも悲しい。じきに僕は歳を取る。そして、やがて待ちわびた終わりの時が来る」。孤独が神経を研ぎ澄ますことには大賛成だ。
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。