「テナント」

一昨年のFBから↓


「テナント/恐怖を借りた男」を観た。ロマン・ポランスキー監督らしいムービーで、こういう自分で作ってしまったハッキリとしない恐怖が一番恐ろしい。俺も孤独が過ぎて周りが敵に見えてしまう恐怖にかられる時があるからよくわかる。

パリの古いアパートにポランスキー演じる青年が引っ越して来るんだが、そこは前の女の子の住人が自殺したワケあり事故物件で、彼も隣人の神経質な苦情等を受けて、だんだんと狂気に陥っていく。飲み物やタバコの銘柄まで前の住人と同じになっていく。最期は同じ様に飛び降りて自殺してしまう。

隣人たちの些細な行動に対して、疑心暗鬼にかられ殺されると怯え逃げ回り現実でないものが見えて…って、これも完璧な統合失調症じゃん。

後半、前の住人の軌跡を追って女装するなんざヘンタイ趣味のポランスキーそのものだ。やってて楽しそう。インディペンデント映画みたくちょいチャチイ感じもそうだ。

しかし、強く出られると何でも言うことを聞いちゃう卑屈でオドオドした気弱な小さな青年にポランスキーはピッタリだな。こういうテーマ(?)こそ彼の真骨頂で、確か「ローズマリーの赤ちゃん」もそういう感じだったな。

自殺した女の子の友人で深い関係になる女の子と映画を観るが、それが「燃えよドラゴン」でしかもジャッキーチェンがやられる場面ってのが笑う。怖くて面白い映画だった。

画像1

画像2


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。