【洋画】「セッション」

アカデミー賞各賞を受賞した2014年のアメリカ映画「セッション(Whiplash)」(デイミアン・チャゼル監督)。

偉大なジャズドラマーになることを夢見て、音楽学校に通う19歳のニーマン。
学校の最高の指導者テレンス・フレッチャーと出会い、フレッチャーは最上位クラスのバンドにニーマンを引き抜くが、フレッチャーは、一流のミュージシャンを育てるために、彼が要求するレベルの演奏ができない生徒に対しては、罵声や怒号も厭わない鬼指導者で、ニーマンも、ほんのわずかテンポがずれているということで椅子を投げつけられて、散々罵倒される。
ニーマンは泣きながら下を向くしかできなかったが、翌日、この悔しさをバネに、恋人とも別れて、スティックを握る手が血だらけになるような猛特訓を始める…。

確かに、全編を通じて張り詰める緊張感が凄まじいけど、プロのジャズ・ミュージシャンって、こんなにスゴイの?

まあ、どんなジャンルの音楽でも、極めようと思ったら、練習の量はハンパないと思うけど、フレッチャー先生の場合、性格破綻者で個人的な思惑が強過ぎるんじゃないだろうか?

結局、度を過ぎたモラハラ、パワハラの嵐で、ある生徒が追い詰められて自殺してしまい、音楽学校はクビになるけど、それはジャズに対する愛情・情熱ってもんじゃ済まされないだろうよ。

フレッチャー先生の要求通りにできなくて、トラブルもあって、理不尽な先生に殴りかかって、音楽学校を辞めてしまったニーマンだけど、ある日、クビになったフレッチャーとニーマンは、街のジャズクラブで出会う。

フレッチャーはニーマンを自分のバンドに誘い、演奏することになるが、コンサート当日、舞台上でニーマンだけ譜面が違って、フレッチャーが近寄って来て、「お前には才能がない」と罵倒される。つまりフレッチャーは自分が学校をクビになったのはニーマンの父親が学校に告げ口をしたからであり、その復讐をしたのだ。なんてクズなジジイなんだろう。言葉を失うよ。胸糞悪い。

でも、ニーマンはステージに戻り、フレッチャーの指揮を無視して別の曲を叩き始める。ニーマンの凄まじい迫力のドラム演奏に、他のバンドメンバーもつられて演奏を始める。ニーマンの演奏にフレッチャーも圧倒されて、ニーマンが演奏する曲の指揮を取り始める。

「コレだ、このドラムだ」と納得したように喜びの表情を浮かべるフレッチャー。ニーマンは若きジャズメンとして演奏でフレッチャーに復讐を遂げたのだ。

圧倒的なニーマンの勝利だね。ラストのドラム演奏は息を呑む程、メッチャ素晴らしい。圧倒される。しかし、フレッチャーの度を越した陰険さ、マジでムカつくぜ。

本来なら音楽って楽しむものであろうに。ということで、緊張感溢れる良い映画だと思うけど、俺には合わなかったな。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。