「永遠平和のために」

難しい批判哲学で有名な著者の考察。

18世紀に書かれたもので、国家間の“永遠平和”を実現するための具体的な提案なのだが、20世紀にアインシュタインとフロイトも同様の考察をしてたね。

予想できる通りに、自由と平等の共和政に意味を見出し、各国の連合による国際法の創設と戦争の恐怖を与える常備軍の全廃を目指す。ただし、国民が自発的に自衛手段として軍事的手段を持つことは認めている…云々。

カントが71歳の時の考察であり、彼も批判哲学者として老いたのだろうか。

明日の永遠平和を目指して、様々な取り組みが行われるのは、文明・文化を持った人類の永遠の“仕事”であるから良いとして、現実に、世界で永遠平和の実現となると絶対にムリだと思うが。

人間は欲がある限り、大なり小なり、公的、個人的にも争いが絶えることはまずないから。

その時々に倫理や道徳で抑えることは可能でも、根本的に人間の根源的な欲を抑えることは不可能であろう。

国が緊張状態でなければ、社会や個人間に、その逆も、欲を持つことから来る争い、諍い、妬み、嫉妬、猜疑心、優越感等、いわゆる負の感情は人間だったら誰でも持つことだからね。だからこそ人間でもあるし。

そんなことよりも、カントのストイックな規則正しい生活習慣の方が興味がある。彼は、ほぼ80年の生涯を独身で通したが、朝の5時5分きっかりに起きると、必ず決まった時間に、決まったコースを通って散歩した。近隣住民は、散歩するカントを見て、時計のくるいを直したという。

「たまには哲学者のいうことに耳を傾けよ」byカント


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。