【アニメ映画】「君たちはどう生きるか」

2023年公開の、宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」(スタジオジブリ制作)。TSUTAYAでDVDレンタル開始。

岩波文庫の、コペル少年が主人公の、時代に合わせて社会主義っぽい、搾取と自由・平等のイデオロギーが少々入った、吉野源三郎の著書は早々と読んじゃったけど、本と内容は全く違っても、主人公の少年の精神的成長をテーマとしたと思われる面では同様だと思う。

始まりから、戦時中の現代劇かと思ったら、疎開先の屋敷で、顔の大きい奇妙なオババ達が登場するところで、アレレと思ったら、ペリカンみたいなアオサギが飛んで来て、そこから主人公の少年・眞人は異世界の幻想と童話・寓話の世界に入って行く。

擬人化した鳥が中心に現れるが、宮崎駿監督とスタジオジブリが描いてきた、これまでの世界のエッセンスを、全て凝縮して入れたような作品だった。

これまでと同様、何か含みを持たせて、いろいろと解釈の余地を残したような展開で、なんだぁ、またコレかよぉ〜、とヒネクレモンの俺は、ちょっとウンザリだった。

勝手なことを言うと、宮崎駿監督もすでに老いてしまったのだなぁ、アイデアが枯渇したのだなぁ、との思いを強くしたね。引退作だっけな?

母親を亡くした眞人が、義母を受け入れるようになるまでの、家族の小さな話だが、異世界まで用意して、ここまで大袈裟に描かなくてもいいのにさ。コレが娘だったらこうすんなりといかなかったんぢゃ。

大オジ「殺し合い、奪い合う、愚かな世界に戻るというのかね。じきに火の海となる世界だ」
眞人「友達を見つけます」

アオサギ、ペリカン、インコ、ワラワラ…例によってジブリならでは擬人化されたキャラクターが出て来るけど、多分、それは戦時中という時代背景に添ったものであったり、人間でも過去に遡った人物だったりするから、何か疑問を持ったならば、何か行動を起こしてみて、とにかく今ある自分を容認するということが、“今を生きる”ということなのでは、と宮崎駿監督が問いかけているようだ。

だからこそ、「ワレヲ學ブ者ハ死ス」なのだね。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。