【映画】「SNS 少女たちの10日間」

酷く胸糞悪くなるドキュメンタリー映画だった。「SNS 少女たちの10日間(V siti)」(2020年・チェコ、ビート・クルサーク&バーラ・ハルポバー監督)。

18歳以上の幼く見える３人の女優が、子供部屋が設置された撮影スタジオで、12歳の未成年女子になり切って、SNS(FB含む)に参加する。

顔写真を載せた瞬間から、複数の男たちが、彼女たちにコンタクトを取ってくる。

最終的にコンタクトを取ってきた男は2500人近くに及び、ほとんどが性的な猥褻な欲望をぶつけてくるのだった…。

男たちは、こちらがスタジオで撮影されてるとも知らずに、言葉だけでなく、カメラやビデオで、いきなり自分のイチモツを写して送ってきたりする。

「胸を見せて」「裸になって」「一緒にオナニーしよう」などと恥知らずなことを平気でしてくる。12歳とわかってもお構いなしだ。

一応、モザイクを入れて、眼と口だけ写してるが、それがとても不気味に見える。

ほとんどが中年以上の、聞けば妻も子供もいる男である。全く気持ち悪過ぎる。

女優がフェイクの写真を送ったら、猥褻なことをさせないと写真を拡散すると脅す男もいる。調べると、この男は少年少女のキャンプのリーダーだという。

中に1人だけ猥褻目的ではなく女の子を気遣う男がいて、優しさと正しさから彼女は感動して泣いてしまう。

会いたいという男たちを呼び出して、問いただすと皆、猥褻目的だ。監督らが出て来て真意を問うと、案の定、軽はずみでネットをやった女の子が悪いと彼女たちに責任をなすりつける。特別、幼児性愛者ではない。

コレはチェコの例だが、世界中、同様の問題が起こってると思われる。

ダイレクトに身近に存在を感じないネットだからこそ、タガが外れたように男たちの欲望は暴走する。男たちは、もともとこのような欲望を強く持ってて、それがネットで表面化したのだろう。

上からよりも、民間から自発的に秩序が生まれて来ない限り、こういう犯罪は少なくなっていかないと思う。

女の子が被害者の例だけど、男の子でも同様の案件は起こってる。

誰しも、いろいろな面で欲望が限りなく暴走する素地は持っている。社会でも倫理上でも、それを抑える術を持ってるから社会的人格のある大人なのだ。欲望の暴走は表現の世界だけで良いのだ。とにかく胸糞悪くなるフィルムだった。