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「24アワー・パーティ・ピープル」

俺の青春時代、ていうか、人生は常に先鋭的な音楽と共にあった…。ということで「24アワー・パーティ・ピープル(24 Hour Party People)」(02年、マイケル・ウィンターボトム監督)。

伝説のゴシック・サイケ・インディー・ロック・バンド(?)、ジョイ・ディビジョンを産んだ英国のファクトリー・レコードの社長であるトニー・ウィルソンの回顧録だ。

80年代後半から90年代にかけて起きたマンチェスター・ムーブメントが中心で、モノホンのライブ映像も交りながら、たくさんのインディー・アーティストが登場して、大好きな俺は興奮で目が離せなかったね。

裏方も、レコードジャケットで知った名前がいっぱいだったけど、へ〜こんな感じだったのかぁと目からウロコだった。

やっぱり始まりは76年のセックス・ピストルズのライブで観客は42人しかいなかったけど、中には、トニー・ウィルソンの他、後にムーブメントを作るアーティストが多数いたのだ。

トニーはTVショウでキャスターを勤めながら、レコード会社を立ち上げ、ムーブメントの中心となるが、次から次へとアイデアが湧いてくるとともに、決して個性的なアーティストとぶつかることなく全てを受け入れてるのが素晴らしいね。

ファッキング言葉連発、息抜きにドラッグ常用とやることなすこと興味深いが、客満員のお祝いにパブの社長とヴァンの中で売春婦に咥えさせてたところを奥さんに見つかり、「もう少しで終わる!」と続け、奥さんもリベンジでトイレの中で若い男とまぐわってるところをトニーに見つかり、「俺は口だけだったけど、お前は全身だ」というところなんて、当時のラジカルなシーンの雰囲気を表してるようで、もうメッチャ面白い。

自殺したジョイ・ディビジョンのイアン・カーティスはあまり似てなくてイマイチ。「コントロール」の方が全然イイ。チラッとザ・フォールのマーク・E・スミス(本人)が出てて、おおっと目を剥いたけど、ホントにチラッとだけで残念。

その他、ドルッティ・コラムのヴィ二・ライリーも、ハッピー・マンデーズも、当時の過激なインディー・シーンを懐かしく観たが、当然、ブームがいつまでも続くわけではない。ファクトリーが手掛けた大型クラブ「ハシエンダ」がその頂点だった。その後、ブームは終焉を迎えて、トニーもガンで死んでしまうが、ブームを牽引した息吹は新世代のアーティストに形を変えて受け継がれていくのだと思う。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。