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「愛の解体新書」

杉田玄白もビックリの映画「愛の解体新書 (LE SENTIMENT DE LA CHAIR/THE SENTIMENT OF THE FLESH)」(2010、ロベルト・ガルゼッリ監督)。

人体解剖図を描く勉強をしてる仏・大学の留学生エレナは、腰痛で病院に行って若き医師ベノアと出会う。
レントゲンの結果、異常はなかったが、ベノアは秘かにエレナの上半身のレントゲン写真を撮ってキープしてた。
それを知ったエレナはベノアにアプローチ。2人は恋に落ちるが、エレナはベノアに私用でレントゲンやMRIを撮らせて楽しみ、濃厚に頻繁に肉体を重ねる。
ベノアは、“このままエレナと一緒にいるとダメになる”と一旦別れる決意をする。
エレナはストーカー化するが、ベノアはエレナと再会、エレナは「私の体内にできた嚢胞を手術して取り除いて欲しい」とお願いし、ベノアはこっそり外科手術をすることに。
エレナに開腹手術を施し興奮して傷口に接吻する…。

私を好きなら、全てを見て!骨も臓器も血管も全てよ!ってことだ。スゲー。解剖してみたい男と解剖されたい女のフェテシズムの物語だ。

たくさん放射線を浴びて中身を見せるのはまだいい(でも、私用でレントゲンを使っちゃダメでしょー)、局部麻酔による開腹手術で、まだ縫ってない血だらけの部位をペロペロ舐めまくるラストは、眼を背けるほど凄まじくて俺好みで素晴らしい。エレナもベノアもなんともいえない恍惚の表情をしてるのだから。

とにかく会えばどこででも激しくセックスしてる2人。エレナがベノアに「なんで私のレントゲン写真がここにあるのよ?」って問い詰めたその日の夜にもうまぐわってる。けど、不思議に堕ちた情欲を感じない。本能のままに舐めまくって官能的で、確かにフランスの美女と美男子なのだが、細いギリシャ彫刻のようで芸術的なのだ。

肉の造形には興奮するけど、その下の中身までいくとちょっとキモくて萎える。自分がアブノーマルなヘンタイじゃないことをわからせてくれた面白い映画だったね。

愛する相手に自分の中身を見せたいという欲求、このような愛のスタイルもあるのかな。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。