「ムー認定 神秘の古代遺産」

「ムー」認定だから、決して学術的に読んではならぬ。エンタメとして眺めるべき本だ。

立派な事典みたいだけど、写真は何処かから持ってきたようなもの(ピンぼけが多い)ばかりで、解説は相も変わらず無理矢理に不思議を作り出す内容で、ちっと、お手軽に作り過ぎじゃね?

古代文明を材料にした、この類いの本で、いつも思うのは、古代人をなめすぎじゃね?ということだ。古代人は、現代人よりも劣ってる→従って、こんなものを作れるわけがない→だから宇宙人が作ったに決まってる、という図式だ。

現代人の我々から見ると、不思議だ!ということになるが、古代人からすれば日常のことなのかもしれないぢゃないか。

人類は、“進化”で発達してきたと思いがちであるが、その時々の環境に合わせて変化してきただけのことである。進化とは、「生息環境に適応して体の構造が変化すること」であって、決して“進歩”ではない。世代を超えて、その変化が伝わっていくだけのこと。だから、必ずしも発達だけでなく、退化もあるのだ。

確かに、機械もPCも、今のような生活インフラもないのであるが、その反面、人間の本来の五感をフルに使った手製の技術は、現代人とは比べものにならないくらいに高度なものだったかもしれない。…と俺は思ってる。

古代人は、多分、どんどん文明を作り出した黎明期にあって、それに合わせて想像・創造力もメッチャ豊かだったと思うから、今の我々の想像を軽く超える建築物や壁画、アートのような表現を完成させたのではないだろうか。

世界中に、人類の豊かな想像力の産物である数々の神話・伝承・伝説・昔話があるから、当然、それを何らかの形にして表現することは至極当たり前のことだろう。

でも…人間は不思議、未知のものが大好きだよねー。想像力があれば、どこでも不思議は生まれる。わからないものを残しておくのは、人間が生きる上でも重要なことでもあると思う。

熊本も、トンカラリン、チブサン古墳が載っとるゾ。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。