【洋画】「DUNE/デューン 砂の惑星」

2021年の、壮大なSFドラマ映画「DUNE/デューン 砂の惑星(Dune)」(ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督)。Amazonプライムにて。

若い頃、デイヴィッド・リンチ監督の映画は観たけど、すっかり忘れている。確か失敗作と評されたような。この題材だけに、リンチ監督の悪趣味的世界観を表現するにはピッタリだと思うけどね。あのアレハンドロ・ホドロフスキーも映画化しようとしてたんだよね。

…予想通りに、とっても重苦しい、複雑で、陰鬱で暗〜い、哲学的で、形而上学的な、内省的ともいえる作品であった。

ただ、暗くても、最新技術を使った、これぞSFというような、現実と見紛うような映像美は、息を呑む程に素晴らしい。デッカいスクリーンで観てたら酔っちゃうんじゃないか。

ラストになって、「俺たちの闘いはこれからだ!」なんぞ言ってるから、次もあるのだろう。

SFというか、人類の進化も極めると、必ず内省的な精神主義になってきちゃうね。エイリアンもそうだったし。いくらAI等の技術が進んでも、人間の精神が同等に発達するには、せいぜい超能力くらいで、旧来の人間のソレからは離れられないのかもしれない。すると、そこには必ず神、宗教的な存在が現れてくるのだ。そして、救世主が現れて、神との対峙みたいな展開になってくる。人間は神になれるのか…。その前に滅んじゃうと俺は思うけど。

そして、人間は、常に、例え未来であっても、戦うことを義務付けられた存在であるということだ。戦争の否定は、実は人間の否定に繋がるのだよ。映画を観ながらそんなことを思ったりした。

唯一、全てを飲み込む巨大な砂虫(サンドワーム)が登場するシーンはリアルで目が離せなかった。

そういえば、設定や展開が、「風の谷のナウシカ」に似てないこともない。砂の世界といえば、安部公房の「砂の女」も思い出す。

人類を変えるスパイスが浮遊する砂だらけの惑星デューンを舞台に、未来が見えるという青年が、母と共に、父を殺したある惑星の領主との戦いに動き、来るべき惑星間の戦争を防ぐために立ち上がる、といった感じかな。

2時間を超える大作だけど、意外と退屈しなかった。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。