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「ハクソー・リッジ」

またメル・ギブソン監督の映画を観た。FBフレンドに教えてもらった戦争映画「ハクソー・リッジ(Hacksaw Ridge)」(2016年、米)だ。

太平洋戦争・沖縄戦で、医療義務を行う後方支援である衛生兵として活躍した実在の人物、デズモンド・ドスの伝記映画。

彼はキリスト教のある一派の熱心な信徒で、従軍した父と母の毎日のように起こる激しい争いや兄とのケンカで彼を殺しそうになった経験から、自分を責めて、「汝、殺すことなかれ」という教えを胸に刻む。
成長したデズモンドは病院で出会った看護師ドロシーと恋に落ちるが、第二次大戦が激しくなり、兄や友人たちが出征していく中、衛生兵として戦場に赴きたいと陸軍に志願する。
軍では訓練でも、「人を殺せない」と決して銃に触れることをしなかった。
上官には「除隊しろ」と責められ、仲間たちからはイジメに遭うが、デズモンドは決して信念を曲げなかった。
激戦地・沖縄のハクソー・リッジに送られた彼は皆が驚くほどの活躍を見せる、といったストーリー。

メル・ギブソンだから、クリスチャンの“主の戒め”をベースにしたテーマだと思うけど、沖縄戦は激戦地だとしても、米軍が圧倒的な戦力で制圧したのかと思ってたが、ベトナム戦争のように、こんなに苦戦したのか。

それに末期の戦場で、日本兵がこんなに栄養状態が良くガッシリしてたとは思えないね。

なんかメル・ギブソンの一方的な恣意的なヒロイズムが全面に出てるような気もするが。

白兵戦では、もうウジャウジャと日本兵が出てきて、銃でバッタバッタとなぎ倒され、無情に火で焼かれていく。昔の007に出てくる人格が全く感じられない中国兵のように。なんか敵の日本兵に対して悪意が感じられた(笑)。

それでも後半の戦争シーンはリアルで凄まじい。手脚がもぎれて、内臓が飛び出て、下半身も無くなる。そうだ、戦場とはこんなに残酷で凄惨で死がすぐ側にあるんだよな。こんなにリアルなシーンを作ると、今後はもう戦争映画は成り立たなくなるし、“良い子”は観れなくなるなぁ(笑)。

デズモンドは銃を持つのを拒否した“良心的兵役拒否者”として、戦場での働きに勲章が与えられるが、どんなに周りがメーワクしても、信念をトコトン貫くと何かしら成果が出るってことだ。アメリカの、特にメル・ギブソンのような宗教的人物には、この映画で描かれたようなヒロイズムは文化としても充分成り立つと思う。スタローンのように。

メル・ギブソンの映画のテーマの一つにリアリズムで全てを物語るってのがあるんじゃないだろうか。

もう気付いてもいいだろ。どんなに祈っても、歴史上、無情に戦争は起こるし、人も死んで殺される。それが止むことはない。つまりは、神なんていないってことを。人の心の内は別かもしれんが。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。