ジジイ、落ちる

夜中２時。あまりにもジジイの呻きがうるさくてひどいので下に行ったら、無様に介護ベッドから落ちてる。

かまってもらおうと動いたのか。

ベッドとタンスの間にハマってて、なんとか腰にベルトを巻いて引き上げようとするが、本人が動く意志がないのか、30分ほど格闘してもできない。

俺も片麻痺のカラダだし、やりたくないし、殺意と軽蔑心でムカついてしょうがない。

夜中に迷惑だけど仕方なくケアマネさんに連絡、たまたま酒も飲まずに起きてた彼がすぐに来てくれて難なくベッドに引き上げてくれた。さすがプロ。

あれほど妄想と文句を言ってたジジイも、大人しく「おう、ありがとさん」なんてヘラヘラ調子良いことを言ってる。コイツ…ホントにマジで俺の手で…ケアマネさんに手厚くお礼を言って、ジジイの布団を整えて、失禁したババアの後始末をやって寝かせて、一段落で、さあ、寝るかと思っても我が身と境遇を呪って目が冴えて来たがなぁ。

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