【洋画】「オルフェ」

ジャン・コクトーのアート・ムービー「オルフェ(Orphée)」(1950年)がYouTubeで観れるなんて!しかも日本語吹き替えで!TVで放映したのかなぁ。

https://youtu.be/u9OguEyJP_o

現世と死後の世界を舞台にしたギリシャ神話をオマージュした作品。

詩人が集まるパリの、とあるカフェで、“王女”と呼ばれる女性カザレスに出会う主人公のオルフェ(ジャン・マレー)。
彼女の連れの若い詩人セジェストが通りでオートバイに跳ねられて、彼の死体をオルフェに手伝わせて自分のクルマに運ぶカザレス。
クルマはオルフェも乗せてカザレスの屋敷に向かう。
そこでセジェストは蘇り、鏡の中にカザレスと共に消える。
カザレスの美しさに魅了されたオルフェは、家で帰りを待ってた妻ユリディスに会っても、心ここにあらずだった。
一方でカザレスもイケメンのオルフェに心を奪われる。
夜毎、オルフェの枕元に立ち、彼を見ている…。

死の国の王女と現世の詩人の禁断の恋の物語。

結局、オルフェの心が自分から離れてしまったと絶望した妻も、オートバイに跳ねられて即死。死の国へと旅立つ妻を、王女に頼んで現世に連れ戻すことになる。

妻と一緒に死の国へ旅立とうとしたオルフェを、王女は、彼を愛してたからこそ、現世に連れ戻すことが正しいと悟ったわけだ。

オルフェは通常の現世に戻って元の鞘に収まり、死の国の王女カザレスは、死の国の人間は現世の生きてる人間を愛することはできないという掟を破ったとして死の世界で逮捕されてしまうのだ。

掟を破りながらも、イケメン・オルフェの魅力に抗えずに彼を愛してしまうカザレスは、悲劇だけど、とても魅力的だ。

当時としては斬新な映像を駆使して、死と生の世界を彷徨するオルフェとカザレス。美しい幻想の世界だなぁ。さすが、耽美派といわれたコクトーならでは。

忘れてたけど、思い出したよ、この感覚。甘酸っぱいノスタルジックな、俗世を超えた美が全ての妖しい世界。映画自体も一つの詩だね。

「ただ一杯の水が世界を照らす」
「鏡は実像よりはるかに良く写すべきだ」
「鳥は指で唄を歌う」
「未亡人の黒いベールは太陽の本当の食事」
…ラジオから流れる言葉。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。