カタマヒ

今更だけど、たった37㍉の範囲で出血しただけで、片麻痺という大きな障害が残ってしまうものなんだな。

脳の組織はそれだけ精密機械のように繊細なのだろうけど、他の部位だったら、単なる内出血で済んで、大抵の場合、ほっとけば治るものだけど。

少量の血液を浴びただけで神経細胞が機能停止に陥ってしまうって、身体の細胞はもっと許容性というか柔軟性があるように思えるけど、脳はそうじゃないんだ。

その代わり、脳の可塑性のように、幾つになっても、様々な形で発展していく可能性はあるみたいだけど。それだけ脳はまだまだ未知数で可能性に溢れてるということでもある。

将来的に、開頭してミクロの世界で電子顕微鏡を覗いて途切れた神経を一つ一つ紡ぐような手術ができるようになれば良いね。その頃にはもう寿命が尽きてるだろうけどさ。

右片麻痺の2級身体障害者となって、もうすぐ10年になろうとする。

リハビリといっても、様々な流派()があるけど、ほとんどが麻痺部分を頻繁に動かすことで脳の可塑性に期待するということだ。動かし方や回数、意識の仕方が違うだけで。

もしくは、片麻痺のカラダでも日常生活が送れるように使い方を学ぶということだと思う。

ステージ3以上の麻痺で完全回復した例を見たことも聞いたこともないし、もし外からの刺激だけで回復が可能だとしたら、それこそノーベル賞ものじゃないか。

プラシーボ効果や自分の経験、精神的なことだけで麻痺は治るとPRしてるカルトのような民間療法もけっこう多い。治るとは単に動くことではない。以前のように遜色なく動いて使えることである。

片麻痺のリハビリって、けっこうツラい。目に見えての効果って出にくいから、時間が経つと諦めやすいし、モチベ維持が大変だ。

いろんな情報が溢れてるが、ほとんどがカラダの使い方のコツを学ぶだけで、脳の再生治療でもしない限り、完全回復はありえないと思ってる。もちろん脳卒中の程度によるけど。

でも、リハビリをやめてしまうと、筋肉や腱が固まってしまい、元に戻らなくなると思うから続けなきゃならない。

だから、片麻痺のリハビリというより、バランスの崩れたカラダなので、効果の出やすいと思う筋トレと体幹トレを考えて取り組んでいる。回復よりも理想のストイックなカラダを作るというイメージで。変わらずノートをつけながら。ノートを付けるのはリハビリを習慣化するためだ。今までにこんなに自分のカラダを意識したことはない。

このカラダを背負ってしまった宿命として、多分、動きたいなら、一生、リハビリは続けなきゃならないと思う。

ノーテンキでバカの俺でも、今だに「生きる」って難しいと実感してる。でも、だからこそ「人生」なんだろうな。

いろいろと愚痴ってもしょうがないけど、自分に愚痴ろう。

満足に思ったように身体が動かない人間にとって、これ以上の絶望があるだろうか。だから、俺はちょっとやそっとの絶望には強いと思う。

脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。