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「宇宙戦艦ヤマトをつくった男 西崎義展の狂気」

小学6年生から中学生にかけて、毎回、TVで熱心に見てた「宇宙戦艦ヤマト」。コミックや小説版、レコード等も揃えるくらいに好きだった。友達と一緒に観に行った完結編の映画「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」は涙を堪えるのに必死だったけど、日本的特攻精神と愛というテーマ、沢田研二の歌にいたく感動して、大満足して、映画館を後にしたものだ。
しかし、その後、死んだはずの古代や雪、挙げ句の果てには沖田艦長まで、シレ〜ッと復活して、はぁ、儲けるためか、とガッカリして白けてしまい、もう見なくなった。

その裏には彼がいたんだな。「ヤマト」の製作秘話でもわかるのか?と読んだけど、ほぼプロデューサーの西崎義展氏の伝記みたいな本。

真の悪党ってこういう人のことをいうのかもしれない。金と欲にイヤなほど忠実な人。仕事が本当にできるのかはわからないけど、押しの強さで運を引き込み、結果を出してしまった人。「ヤマト」に関してだけど。それだけに周りはほぼ全員敵と化する。

西崎氏が海に転落して死んだ時も、ざまあーと思うか、消されたと勘ぐる人が多かったという。裏社会との繋がりもあったし。

たくさんの愛人と豪邸、別宅のマンション、高級車やバイク、クルーザー、銀座での大豪遊など、とんでもない無駄遣いのくだりは面白かった。創価学会や石原慎太郎氏、数々の芸能人との付き合いも初めて知った。

薬物や大量の銃器所持で入獄したこともあったけど、世間や常識から遠いところで、好きなように生きて、「ヤマト」を残した。ある意味羨ましくもあるな。

昔あった「一杯のかけそば」の作者みたいに、真の悪党だったからこそ、愛をテーマにした感動のストーリーができたのかもしれない、と言ったら言い過ぎか。

こういう人いるよねー。規模は全く小さいけど、今まで二人、こういう人と接触して、かなり疲弊したことがあるね(笑)。

脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。