「源氏物語 下」

え、「雲隠れ」ってタイトルだけあって、下巻では、いきなり光君は死んじゃってたの!?紫の上が死んで、出家を匂わせといてさ。やっとこさ下巻まで来たのに、スーパー色男の死に様も描かれないのかぁ。

下巻は、言ってみれば光源氏の子孫たちの恋模様だな。

光源氏の娘の息子(光にとっては直の孫)である匂宮(ニオウミヤ)と、表向きは光源氏と妻・女三宮との間にできた息子とされてるが、だが、実は、その妻と柏木の密通で生まれた不義の子である薫(カオル)の2人が主人公。

2人ともお互いをライバル視してるらしい。

で、薫は、宇治でとんでもない美人姉妹を見つける。その姉妹がまた光源氏と訳アリで…。

また妊娠騒ぎがあって、姉が病気で死んで、姉とクリソツの美女浮舟と出会って、薫と匂宮との関係から、浮舟の自殺騒ぎがあって、薫が浮舟に会いに来て…と、さらに男と女のヤヤコシイ関係があって、光源氏に続く下半身事情が続くかと思いきや、ココで、なんか中途半端な感じでいきなり終わるのである。このメッチャ長かった物語は。

レディ・パープル(紫式部)、一体どうしたよ?もうココまで書いたから飽きちゃったのかなぁ。それとも、上・中で光源氏を、あまりにも完璧に書き尽くした(下巻の登場人物は意外と不器用で無神経)から、それ以上の物語が思い浮かばなかったのかなぁ。

とにかく上・中・下、読了したぜよ!

千年も前に、いろいろな道徳事情は別にして、男女と親子の愛の深さと男女間の違い、つまりは人間同士の思慕の深さとその機微を、ココまで微に入り細に入り、書き上げた大大長編は、世界にも類を見ないであろうと思う。スーパーレディ・パープル、素晴らしいよ!


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。