「好色一代男」

ジジイになってやっとわかる古典の魅力ぢゃ。

よく溝口健二監督も原作としてた江戸時代前期の作者、井原西鶴。このタイトル(第1巻)は、日本で初めてのベストセラーらしい。

新訳で読みやすかったけど…。
産まれて、7歳で自分に仕える下女を口説いて、8歳で自分の先生にラブレターの代筆をさせて、9歳で屋根から行水する女を覗き、10歳でハンサムな男との男色に目覚めて、11歳で貯めたお小遣いで遊女を買おうとし、12歳で風呂屋の女と初めて寝て、13歳で茶屋女と遊びまくる…というドスケベ主人公の世之介。

故に、親から勘当されて家を出るが、懲りずに各地をナンパ放浪、でも、結局、親の莫大な遺産を相続して、今度は遊郭で高級遊女と遊びまくり。

やっと61歳になって、出家のつもりで遊び仲間と女護島(女だけが住む島)に船出する。

ということで、メチャクチャ面白かった。

幼い世之介がオシッコにトイレに行った帰りに、もう女を口説いている。

各地を放浪してる時、出会った女に「俺が好きなのは、お前だけだよ」なんて甘い言葉を囁いて、やっちゃって、子供ができたら夜中にソッと逃げ出す。もしくは関係を持った女が子供を抱えて、「あなたの子よ」と来たら、子供を抱くも、旅の途中で子供を道端に捨てる。

夫のある女でも構わずにやろうとするし、言うことを聞かなきゃムリヤリやっちゃう(強姦)始末。

いやはや、この無秩序さ、不道徳さ、無軌道っぷりたら。

江戸時代の、忖度なしの究極の娯楽小説だからこそ、当時のベストセラーとなったのであろう。想像の世界ではあるが、祖先の好色に対する自由奔放な激しいエネルギーを感じて嬉しくなった。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。