「復讐 三島由紀夫✖️ミステリ」

三島美学のエッセンスを随所に盛り込んだ至高の短編集。

無理にでもジャンル分けするなら、ミステリになるのかもしれんが、元々、多くの小説が死の匂いを発散しているため、三島由紀夫がミステリー?と言われても、全然不思議ではない。

どれも、人間が抱える心の闇を材料にした、ある種、背徳的・非道徳的な短編で、読み終えた後にフーッと一息付いて、緊張を解くようなものばかりだ。

俺は、レズビアンを描いた「果実」や、戦犯の罪に恐れ慄く「復讐」、父殺しの「水音」、白痴の村娘を目で犯す「月澹荘綺譚」、自分たちの愛のために若い男女を利用する「朝の純愛」が好きだな。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。