【映画】「ジョーカー」

本当の悪は笑顔の中にある…。

2019年のアメリカ映画「ジョーカー(Joker)」。

監督は、GGアリンのドキュメンタリーを撮ったトッド・フィリップス。アメコミ「バットマン」の悪役ジョーカーの誕生秘話だ。

暗くて悲しく、苦しく悩み抜いた挙げ句に、狂って、笑い転げるという内容の映画だった。

低所得者層の人間が、誰にも認められずに貧困の末に絶望して狂って犯罪に走るというプロットは、名作「タクシー・ドライバー」に似てなくもない。

1981年、ゴッサムシティで年老いた母親と共に暮らすアーサー・フレックは、大道芸人(ピエロ)の仕事をしつつ、人気コメディアンを目指してる。
彼は発作的に笑い出してしまう病気で、カウンセリングを受けて、大量の精神安定剤を服用している。
人気者になるという夢を持ってるが、現実は、皆から厄介者扱いされてまともに相手にされてない。

こんな設定から観るのも辛くなってくるが、案の定、負の連鎖でアーサーが何をやっても裏目裏目に出てしまい、ついにはピエロの仕事もクビになって、“窮鼠猫を噛む”で地下鉄で絡んで来たエリート・サラリーマン3人を持ってた銃で撃ち殺してしまう…。

ゴッサムシティは貧富の差が激しく、エリート・サラリーマンの殺人は、貧困層に溜飲を下げる働きをし、アーサーのピエロは貧困層のヒーローになっていく。

アーサー自身は母親の妄想(統失?)を信じて、街の名士の息子ではないかと希望も持ったが、妄想だとわかったら絶望も激しく、母親も殺すことに。

街の名士の本当の息子が将来のバットマンである設定。

意図しないところで持ち上げられるが、負の連鎖で殺人、精神病院入院と続くけど、逃げ出してジョーカーになるのだ。

「バットマン」シリーズとは、何の関係もないところで独立して作られた映画だけど、貧困層の精神障害のある中年男が、成功を夢見るが、周りとの関係も上手く行かずに追い込まれて、ついに犯罪に走って、さらに精神を病んでしまう様が描かれている。

どうしても、どんなに努力しても、本来のセンスがなくて選択を誤って、表のレールに乗れずに、裏のアウトサイダーしか生きる術がないという層が一定数いるものなんだなぁ…とアーサー(ジョーカー)の悲惨な生い立ちに同情的になってしまった。

結局、金を得た者が権力を持って貧しい者を支配する。貧しい者同士はいがみ合いながら搾取され続ける。そして、誰でもジョーカーになる危険性を持っているのだ。

ヒャヒャヒャヒャ、ヒーヒャヒャヒャヒャ〜、アタマがキリキリする様な笑い声、病んでるなぁ。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。