【古典邦画】「風の又三郎」
1940(昭和15)年(83年も前かぁ)のファンタジー(?)映画「風の又三郎」。監督は島耕二。
宮沢賢治の原作はガキの頃に読んだと思うけど、Amazonプライムで映画を見つけたので。
わかったね。前の、成瀬巳喜男監督の「愉しき哉人生」は、風の又三郎をベースにしたものだった。
田舎の村落にある生徒の少ない小学校に、夏休みが終わった9月1日、高田三郎という北海道から来た5年生が転校して来る。
彼は洋装で不思議な感じのする男の子で、ちょうど立春から二百十日(風が強い日とされる)にやって来たから、クラスメイトは、彼のことを風の又三郎と呼ぶ。そして、彼は友達の前で風を操るようなことをする…。
先生以外、出演者は子供だから、方言混じりの素朴に声を張った演技が微笑ましい。
ある日曜日、又三郎こと三郎も友達に誘われてぶどう狩りに行くが、友達の1人が馬を追って迷子になってしまう。急に、天候が悪くなり、強風と雷の中、倒れてしまった友達は、ガラスのマントを着て、フクロウのようになって、歌を唄いながら、空高く飛び去って行く三郎を目撃する。
ガラスのマントとはいえ、キラキラしたビニールをそのまま被ってる感じで、飛び立つのも当時の精一杯の技術で飛んだように見せているのであって、メッチャちゃちくて笑っちゃうけど、雷鳴轟く空に向かって唄うシーンは、霧が立ち込めて、幻想的で、少年の不気味さを演出してるのはなかなか良いものだ。
登下校で、生徒が、高く掲げられた国旗の前で深くお辞儀をするので戦時中だということがわかる。
三郎が、風を吹かせる時に唄う、ドードド、ドードド、ドー…という旋律が暗くて悲しくて耳に残りそう。
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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。