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#16 【人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている】を読んで

こんな方におすすめ

1. 世の中は実力だと思っている方
2. ハロー効果にかからない自信がある方
3. 実力以外の力を使って評価を得たい方

錯覚資産

ゴルフの1日目の成績が以下の場合だと2日目はどのような成績になると思いますか?

Aさん:67
Bさん:70
Cさん:76

たぶん多くの方がなんとなくAさんとBさんが2日目もいい成績を出すと感がるのではないでしょうか?

しかし、2日目は以下のようになりました

Aさん:70
Bさん:76
Cさん:68

このようにゴルフの結果は1日目の成績がいい人が2日目も成績がいいとは限らないですよね。
実際に、1日目と2日目のスコアの相関関係はマイナス0.26と1日目の成績は2日目の成績がよいという傾向は見られないという結果もでています。

さて、ここで問題になるのは

なぜ、あなたは「初日の成績がよければ、2日目の成績もよい」と思ったのか?ということです。
実際に、

「運もあるけど、大部分が実力で決まるのだから、初日にいい成績だったプレーヤーは、実力があるはずだ。実力があるプレーヤーは、2日目の成績もよいはずだ」

と思っていませんでしたか?

しかし、2日目の成績のように、自分自身で認識しているよりも運の要素が、ずっと大きいのです。

実際に「売り上げを80%増やしました」という実績はそれは上司や同僚のおかげで達成できたとしても思考の錯覚を生みます。

ここで大事になるのは、「人々が自分に対して持っている、自分に都合の良い思考の錯覚は一種の資産として機能するということ
このことを「錯覚資産」と呼びます。


思考の錯覚

【ハロー効果】
なにか1点が優れていると他の分野に関しても優秀だと思うこと

【少数の法則】
統計的には、ぜんぜん有意といえないようなごく少数のサンプル数のデータから、そのデータが示す法則性が真実だと思いこんでしまうこと。

【運を実力だと錯覚する】
PV向上とCVR向上への時間の投資配分を誤らせるなど、極めて有害性の高い認知バイアスなので、とくに注意が必要。

【後知恵バイアス】
物事が起きてから、自分はそれが起きることを予測していたと考える傾向。

【利用可能性ヒューリスティック】
「利用可能性ヒューリスティック(availabilityheuristic)」とは、脳がすぐに利用できる情報だけを使って答えを出すことだ。もっとわかりやすく言うと、「思い浮かびやすい」情報だけを使って、答えを出す認知バイアスのことだ。「すぐに思い浮かばない」情報は、無視して判断を行なってしまう。判断に必要な情報が欠落していることに気がつかないという点が、非常に危険。

【デフォルト値バイアス】
取りうる選択肢の中で、過剰にデフォルト値を選んでしまう傾向。デフォルト値を選ぶのが損な場合にまで、デフォルト値を選んでしまうので、これも、非常に有害。

【認知的不協和の理論】
自分の中で矛盾や葛藤(認知的不協和)があるとき、無意識のうちに、その矛盾を解消しようとする。現実を変えることで認知的不協和を変えられる場合は、健全な結果になる。しかし、それが困難な場合、無意識は、認識や記憶の書きかえによって矛盾を解消する。この場合、不健康な状態に陥ることがあるので、注意が必要。

【感情ヒューリスティック】
好きなものはメリットだらけでリスクがほとんどなく、嫌いなものにはメリットはほとんどなくリスク