太陽の塔

研修をやっている時になんとなくやっていること

「羽地先生の研修中の声の使い方と参加者とのかかわり方の使い分け、いいなあと思いました」
僕の研修を企画して、2日間の研修中一緒についてくれた企画担当の人が会場から帰るタクシーの中で伝えてくれた。

そこを見てましたか! 

確かに研修の場面場面で参加者とのかかわり方、その場でのあり方のようなものをなんとなく使い分けている自分がいる。
気恥ずかしかったが嬉しくもあり、興味深いことでもあるので、研修講師としてなんとなくやっていることを整理するために書いてみる。

研修を担当している時の自分の話し方や参加者とのかかわり方、あり方を自分なりに振り返ってみると、思い当たるスタンスが三つある。それらを時に組み合わせたり、細かくギアをいれかえたりして場を進めている感じがします。


正論を言うスタンス

一つは講義をする時のスタンス。一人一人とまんべんなくアイコンタクトをとり、目で確認しながら伝えている。どちらかというと論理的で正論を言う時に使っていて伝わりやすさや分かりやすさを意識している。だいたいこの話し方をしている時は立っていて姿勢がいい。ゆっくり話しをするようにしている。ボディランゲージも意識して使っている。まんべんなく全員に届く伝え方。プレゼンテーション研修などで教えているステージスキルを忠実に体現するようにしている。


コンダクターのスタンス

二つ目は質問や相談、発表に対してコメントを返す際のスタンス。個人から出た質問や意見を全員が自分ごととして考えられるように全体を巻き込もうとする時のあり方で、ファシリテーターとして場をホールディングすることを意識している。プレイバック・シアターのコンダクターの経験から培ってきたあり方で、発表者に対してコメントしているけれど、意識は場全体に向いている。僕自身は透明なイメージがあり、このスタンスは集中しているけれどあまり疲れない。


メッセージを伝えるスタンス

三つ目は自分の意見をダイレクトにぶつける時。「あなたにここ分かって欲しい」という自分の気持ちや想いを時に熱く伝えるかかわり。この時はだいたい姿勢はよくない。座ったまま右肩がぐっと入っていて、肘を机につけたまま話している時も結構ある。分かりやすさより一番大事なことをストレートにそのまま伝えることにしている。感情もストレートに使うのだけれど、決めつける言い方は避けて、僕個人のメッセージとして「こうして欲しい」という言い方に徹するようにしている。Lプロなどのトレーニンググループでスーパーバイズする時にもこの言い方をする。これは比較的最近やるようになってきたスタンス。一対一の勝負をしている感覚で瞬発力がいる。


それぞれのイメージ

それぞれのスタンスによって使っている声と身体は違うと思います。それはアイコンタクトや姿勢、表情、ボディランゲージといったいわゆるノンバーバルコミュニケーションと呼ばれているもので表れますが、もっと内面の奧にあるものが表面に現れていると思うのです。が、その奧にあるものが何かはよく分かりません。それぞれのキャラクターみたいなイメージはあります。

あともう一つ、ワークショップや研修の参加者の時に、ファシリテーターや講師にあれこれと言いたくなる時があり、これは幼稚園の頃に嫌がる松田先生を芋虫を持って追いかけて、先生が泣いてしまい、どうしようもない気持ちになった時のイメージで、この時のことを今でも思い出します。

今回12月のABE研究会ゆりさんが「声と身体とドラマ」のワークをやってくれるのですが、声と身体とドラマという僕にとってはまだよく分からない領域なので、楽しみです。


場づくり、プレイバック・シアター、ワークショップ、企業研修、Arts Based Education そして時々沖縄について語りたいとおもいます