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十二因縁

今回の題目は「十二因縁」。仏教の中でも最も大切で、理解困難ともいえる「縁起」のお話です。「縁起」の話は簡単な話ではないので、もう少し私の中で熟成させるとして。今回書いてみようと思ったのは、「なぜこの世に生まれてきたのか」という話です。・・・これも簡単な話ではないのですが、こちらは正解不正解のない、あくまで「私が今感じていること」なので、少々「え??」と思ってもご容赦くださいませ。

村山先生がまだご存命の頃、たまたま食事会の時に同じテーブルに座ったことがありました。その時、先生は「なんのために生まれてきたのか」と、誰にということなく、問いかけられたのです。その日からずっと、心の中でこの問いの答えを探していました。

なんのために生まれてきたのか

正直、それまでそんな事を考えたことがなく、最初は途方に暮れていました。しかし、「この答えを探したい!」という想いが生じると、人間というのは必ず無意識にその答えを探し始めます。それまでまったく考えたことがないことでも、自分のこととして意識した途端に情報が入ってくるようになるのです。それが、私にとっては仏教でした。村山先生に直接気学を学んだのは正味4年ほど。仏教は1年くらい。最初は、私にとって仏教はほとんど興味のないものだったんです。講座に出ても、半分は睡眠学習で💦 今思えば失礼極まりないし、もったいない話です。それが、なぜか突然仏教に目覚めたのです。六白吉方を取ったこともあると思いますが、先生からの問いかけの答えが知りたい!という想いがあったからではないかな、と思います。で、いろいろ考えるわけですが、わりと最近まで「なんのために生まれてきたのか」というのは、使命のことだと思っていました。私の使命はなんだろう、天命はなんだろう、今出会っていることは使命のはず!

でも、先生の問いかけは、もっともっと大きいことなのではないかと思い始めたのです。それが今回の「十二因縁」のお話の中に出てきた「万物の歴史」ケン・ウィルバー著 の一節で、確信に変わりました。そこだけご紹介します。

無明なるが故に、自分を知らない。「こころをもつ宇宙は、それ自体、意思と目的を持つかのように、ある一定の方向に向かって自己進化している。自己進化のプロセスの中でその一部として人間が生み出されたのだが、それまでの生命と異なる人類最大の特徴とは、それが初めて「自己意識」を持ったことにある。全宇宙の進化のプロセスで初めて「自分自身についての意識」を持ち、みずからを振り返ることができるようになった存在、それが人類なのである。そしてこの人間における「自己意識」の発生は、宇宙そのものがみずからをはじめて認識し始めたことを意味している。・・・・・したがって人間は、みずからが宇宙の自己進化の一部をなしていることを自覚しつつ、その使命を果たしていくことのできる唯一の存在である。・・・・・私たち人間は、宇宙が花開き、宇宙の意思が生成し発展していっていると自覚しつつ生きねばならない。
ケン・ウィルバー「万物の歴史」より

ここに書かれている通り、人類最大の特徴は「自己意識」をもったこと、です。ということは、それ以外の生命はすべて宇宙意識と一体だということになります。私達人類は宇宙が意識を持っているとは考えませんが、本当はそうではなく、人類も宇宙意識と一体だし、宇宙の発展とともに存在している、ということだと思ったのです。

結局、「生きようとすること」が最も大切なのではないかと思います。誤解を恐れずに言えば、人間は働くために生まれてきたわけではないし、稼ぐために生まれてきたわけでもない。生きるために働くし、生きるために稼がなくてはならないけど、それは目的ではないんだ、と。人それぞれ使命は違うけど、すべての人類は宇宙の発展のために成長する必要がある、ということだと思うのです。まだ学びの途中ですから、また考え方が変わるかもしれません。でも、なんとなく間違っていない気がしています。

※2019年10月に書いた文章です。


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