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ラグビーにハマる。

ラグビーワールドカップで「にわかファン」になった。それまでTVですらラグビーを見たことがなかった、正真正銘のニワカだ。どこに出ても恥ずかしい。でもとにかく、尋常じゃないスピードでハマっていった。
選手のインタビューを読みふけり、古参のファンが勧める戦略本を読み、気になることはとにかくググる。元来のオタク気質を発揮して情報を集め、深堀り、世界に浸った。だけどパブリックビューイングやスポーツバーには行っていない。それがインドア…。
かくして己のなかでのみ轟々と燃えさかる情熱の炎は、決勝戦まで大きくなる一方だった。そしてその炎はワールドカップが閉幕したとき、私自身を灰にしていた。
閉幕後にラグビーロスに陥った私はすぐさまJRFU(日本ラグビーフットボール協会)に1,000円払って入会。年会3,500円で日本ラグビー界の発展に寄与することを決めた。応援するものに課金してしまうのは私の性分です。

まさか2020年1月のトップリーグ開幕戦を皮切りに、熊谷ラグビー場へ何度も行くことになろうとは。チケット先行販、会場先行入場と、3,500円で買った権利をフルに活用。その結果、もっとラグビーが好きになった。
ラグビーはチーム別の応援席がないので、「推しチームはないけどラグビー見たい」という人も困らない。決まった応援歌や掛け声がないから、ノリとかつかめなくても大丈夫! 大型ディスプレイでルールを説明してくれるし実況の解説も丁寧だから安心!! グランド全体が見える少し上の席はグランドから遠ざかるけど、選手がみんな大きいから迫力十分!!!!! あと、青空の下で温かい飲み物を片手に観るのはちょっとピクニック的。
みんなが思い思いに自分のテンションで楽しんでいる。それがすごく心地よかった。
でも少しだけ、古参のファンが「ナイスプレイ!!」とか「けんちゃーーーん!!」(福岡堅樹選手のこと)とか叫ぶのはうらやましい。いいタイミングとか通る声とか、めっちゃうらやましい。私も叫びたい。

これまで、スポーツ観戦をしたこと自体まったくなかった。ラグビーの何が私をそこまで掻き立てたのか。「フィジカルと戦略、両方の必要性」とか「選手の品性や謙虚さ」とか、魅力はたくさんあるけれど、それは好きになったから知ったこと。
たぶん、1番魅力だったのは「多様性」だと思う。選手はポジションによって得意なプレーが違うし、「その国に根付いてプレーを続けてきた」ことを重視しているから代表選手の背景はバラバラだ。違う特性を持つ選手たちで構成されたチームが、1つになって目標を達成する。その姿はなんだかとても理想的すぎて、よく考えるとちょっと泣きそうになる。

残念ながらトップリーグもスーパーラグビーも、今期は途中でリーグ中止になってしまった。ずっと家にいるとイライラすることも落ち込むこともある。だけど、今は私にできることをしっかりやるしかない。
それで、安心して出かけられるようになったらまた観戦に行って、今度はグランドに向かって高らかと「ナイスプレイ!」って言いたい。

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