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過去の自分からのエール

「メンタル不調のためちょっと休みます」
そんな投稿が目に入って投稿主のSさんにメッセージを送った。
Sさんは、私が主催している。自分だけの人生の本作りに
参加してくれている方だ。

storia storiaの本作りは、まずはその方の人生のストーリーを
徹底的に聞き出す。

自分という人間を振り返ってもらうことで
自分への解像度をあげていく。

そこから多くの人は自分の壁となっている物の見方や
それを超えてもやりたいことなどを見つけていく。

過去の出来事に触れる際に、自分のトラウマ体験が
出てくると、よりメンタルが不安定になってしまうことが
あることを、知っていたのでそこは慎重になる必要があった。

「本作り、このまま続けますか?一旦時間を置きますか?」と
私はSさんにメッセージを送る。

Sさんからすぐに返信がきた
「続けます。私の過去は美しいから」

それでは続けましょうと返信しながら、私にはまだその
Sさんの言葉の真意を理解できてはいなかった。

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それから少し時間が空いてセッションの日になった。

セッションの中でSさんに
自分のストーリーを語ってもらう。
今回のセッションではSさんの30代の頃の仕事の話が中心になった。
その話を聴いてはじめてSさんの返信の意味がわかった。

Sさんの過去のストーリー、その力強いストーリーに圧倒される。
子供の頃に、純粋な思いで「こうなりたい」と一途に願っていたSさんが
それを実現させていく強さと根気あふれるストーリー。
そこには苦労だけではない、楽しくて仕方がないSさんの想いがあふれていた。

子供の頃に夢中になって遊びたおしたあの時間と同じ
どれだけ遊んでも遊び足りない
もっともっととのめりこむ楽しい時間。

聴いているこちらも追体験しながら一緒にワクワクしてくる。
エネルギーが切れる瞬間まで動けたあの感覚がよみがえる。

そこには力強くそして、とても美しいSさんの過去があった。

自分の美しいストーリーを思い出し、語る。
過去に浸ってその栄華を味わう。
一見後ろ向きにも見える行動だ。

でも、過去を語るSさんの表情はとても明るくて、
一言一言に力がこもっていて、
さながら未来のVisionを語っているかのような
そんなエネルギーに溢れていた。
過去に浸りたいという思いは一切感じられなかった。

まるで過去の自分の姿が今の自分のエールとなっているようだった。
忘れてしまったあの頃の自分の力を思い出す。
自分にはこんなに力がある。
だから自分は大丈夫。
そんな声が聞こえてくるような気がした。

storiastoriaの本作りが扱うのは圧倒的に過去だ。
今まで生きてきた軌跡。
そのストーリーを徹底的に洗い出して、
自分が見たい世界を見つけ出していく。

私が目指しているのは、過去のストーリーを使って未来を描くこと。
こういう生き方をしてきた自分だから、
これからこんなことができるのではないか?
こんなことを伝えられるのではないか?
その世界を探していく。

そしてその想いを忘れないように本という形で刻み込んでいる。
本は自分を未来のありたい場所に連れて行くチケットだ。
そんな本を作りたいと思って私は活動している。

Sさんのセッションを見て、
過去のストーリーは未来を創るだけでなく、
今の自分へのエールにもなるものなんだと知ることができた。

どんなにすばらしい過去も辛い過去も
時間という調味料を足してみると、
素晴らしいギフトになって今に帰ってくる。
かつてヒーローだった自分が今の自分の勇気になる。

過去の自分からエールをもらったSさんが、
これからどんな本を作っていくのか
未来を作っていくのかとても楽しみだ。

過去のストーリーは、優しく、力強く、そして美しく
今のあなたを応援し、これから進みたい未来へ連れていってくれる。

そんな本作りを私はこれからも続けていきたい。

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